M65フィールドジャケットの実物の見分け方について

私はミリタリーグッズの収集が趣味でして、M65フィールドジャケットは今でも収集しています。

米軍のミリタリーウェアといえば、「実物かどうか」が重要です。

ここでは主にM65フィールドジャケットの実物の見分け方を説明します。

この法則はM65シリーズで共通しますから、シェル、ライナー、パンツ、パーカー全てに当てはまります。

実物の定義

米軍に一度納入された実績のあるものを「米軍実物」と定義します。

そこからデッドストック化したり、使用済みのものが一般の市場に流通したりして、米軍実物とか本物として売られているわけですね。

これとは別に、実物とほぼ同じ仕様で一般市場やPX向けに作られた物を「民生品」と呼びます。

実物とは区別されますが、ほぼ同一の品であり、異なるのはタグくらいです。

また、当時と近い仕様で復刻したものを「レプリカ」と呼びます。

堂々とブランドタグが付いていたり、独自にデザインされたタグが付いていることから判別可能です。

最後に、ユニクロやGUなどのファッションブランドが、M65を参考に作ったジャケットは「M65タイプ」とでも呼びましょうか。

これはもう実物とは全くの別物であり、各ブランドの特徴が色濃く出たものです。

M65が流行すると、多くのファッションブランドが独自のM65タイプを売り出します。

それだけM65がデザインと実用性共に洗練されているという事ですね。

まとめると、M65には以下の4パターンが存在するということです。

• 米軍実物
• レプリカ
• 民生品
• M65タイプ

言うまでもなく、私が収集しているのは米軍実物です。

タグで判別

実のところ、実物かどうかはタグを見れば概ね判別可能です。

首のあたりにこんなタグが荒く縫い付けられていますから、その内容を読み解きます。

年代によりタグの色、大きさ、様式は微妙に異なりますが、実物にはDSAとかDLAで始まるコントラクトナンバーが記載されています。

また、実物は真ん中の横線が一本です。

コントラクトナンバーとは会計年度を示すものであり、シリアルナンバーではありません。

そのためユニークではなく、全く同じコントラクトナンバーのM65が多数存在しています。

もちろんコントラクトナンバーまでコピーした偽物もありますから、実物であることを保証するものではありません。あくまで参考程度に。

記載内容のほか、洗濯を繰り返してタグ自体がボロボロになっている、縫製、（実物は縫製が雑）、フォントの雰囲気など、トータルで判断できるようになると良いですね。

あとはボールペンやネームペンで名前とか数字、チェックマーク等の記載があると現場で使っていた事が想像できますね。

一説によるとチェックマークは検品の証跡だそうです。

また、当然ながらブランドタグの類はありません。

全体的な雰囲気で判別

これは私が所持しているM65の一部です。

どうでしょう、ちょっとボロくないですか？

同じ品なのに色味が違ったり、ドローコードが抜き取られていたり。

そうやって使い込まれた履歴があれば、実物であることの判断材料になるでしょう。

縫製はガタガタで、むしろ作りが雑な方が本物らしいと言えます。

あとは異様にガッシリしていて、ものすごく重たいです。

生地はナイロンと綿を混紡したNYCO（ナイコ）というものです。

これが頑丈な分やたらと重く、シェル単体で2kg近い重量を誇ります。

服屋や美容室で上着を預ける時、ビックリされることもしばしば。

「重っ！これ何が入ってるんですか！？」

と言われたことがあります。ポケットの中身は空でした。

実物は、ボロい。

実物は、重い。

こうした雰囲気も判断材料になります。

民生品やレプリカについて

私が収集しているのは米軍実物ですが、間違えて民生品を買った事があります。

民生品のタグには、コントラクトナンバーがありません。

また、ラインが二本とか三本になっています。

比較してみたのですが、タグ以外はほぼ全く同じです。

デザインや実用上の差異はありません。

あくまで米軍実物というのは付加価値やヴィンテージ価値ですから、実物が入手できない場合は民生品やレプリカを選んでも全く問題ないと考えます。

特にアルファなんて、かつて実物を米軍に納品していた実績がありますから、今自社で売っているものはほぼ同じ仕様です。

正し、本物を謳った偽物を掴まされないようにだけ注意してください。

メルカリとかで結構多いのですよ。

出品者自身が、実物と区別できていない商品が。

まとめ

ここでは、実物の定義とその見分け方について解説しました。

米軍に一度納品されたものが実物。

それを判断するのは、タグの記載内容と全体的な雰囲気。

これが分かっていれば、そんなに極端な間違いをすることは無いと思います。

幸いなことに、M65フィールドジャケットは流行していませんから、あまり高くありません（パーカの方は高騰しているのに！）。

今のうちに実物を入手しておくと良いですね。