世の中、何にでも買い時というのはあります。
ギターに限らず、物を安く買いたいのであれば決算期を狙うのが鉄則です。
一般的な楽器店のセールといえば、年末年始やボーナス時期を連想するかと思います。
しかし、実はこれらのセールって単なる「お祭り感」があるだけで、さほど安いわけではないのです。ま、ガチで安いお正月セールをやっている店もありますけどね(イケベ楽器店とか)。
それに対し決算期は本当に「売らなければいけない理由」がありますから、値引きが発生しやすいんですね。今回はその仕組みを解説いたします。
なぜ決算期は安いのか?
3月が良いとされている理由は、「決算期」による在庫処分です。楽器店をはじめとする多くの企業は、3月末に決算を迎えます。この際、在庫が少ないほど決算の見栄えが良くなるため、店は積極的に値下げをして売り切ろうとします。
さらに、法人税を抑えたいという理由もあります。
在庫が多く残っていると法人税の負担が増えるため、店としては多少の赤字を出してでも在庫を現金化したいのですね。
そうすれば次の仕入れ資金にもなりますから、メリットが大きいのです。まさに「売れないよりマシ」という状況にあるわけです。
そうした理由から、安いのは決算期の3月です。
また9月決算の場合もありますので、こちらも要チェック。
お店の心理
- 在庫を減らしたい
決算前に在庫を売り切ることで、企業は棚卸資産(売れ残りの在庫)を減らし、キャッシュフローを良くしたい。そのため、本気の値引きをしてでも売ろうとする。 - 売り上げ目標を達成したい
多くの場合、店舗ごとに年間の売上目標を設定している。それを達成するため、積極的にセールを打ち出す。「あと〇〇万円売らなければ」となると、利益を減らしてでも売り切る方を取りに行く。 - 個人の販売ノルマを達成したい
大手のチェーンなら、店員にもノルマがある。決算セールに乗じて、個人ノルマをも達成したいとう心理が働く。
年末年始のセールはそうでもない
一方、年末年始のセールはどうか。
実は、年末年始のセールは「やってる感」だけの場合が多く、価格的にはそうでもない事が多いです。
特にブラックフライデーで大幅な値下げを行った場合、12月に在庫処分をする必要は無いんですね。
しかしボーナス時期は分割払いの手数料無料キャンペーンが増えますから、そちらを検討する余地はあるかもしれません。
決算セールを上手く立ち回るには?
では3月の決算セールを最大限活用するには、どのように立ち回ればいいのでしょうか?
事前に価格をチェックする
契約を急ぐと損をするのは、商売の法則です。
私としては通年で価格をチェックして、相場感覚を身に着けておくことを推奨します。そうすれば底値が判断できますから。
しかしこれには、メーカーによる価格改定という落とし穴があります。
今アメリカのインフレは著しいですから、大手のブランドは数年おきに値上げをしています。
私の記憶している限り、FenderのMade in Japan Heriageシリーズは、2020年の登場時は160,000円でしたが、現在は185,000円です。
たった数年でモノの値段はどんどん上がっていきますから、あんまり悠長に構えていられないというのが実情です。
最長でも一年くらいのスパンで探すべきでしょう。
店舗に直接交渉する
私としては、あまり極端な値引き交渉は推奨しません。
しかし消費者としては、二つの交渉材料があります。それは決済の方法とタイミングです。
お店にとってありがたいのは、言うまでもなく今この場での現金決済です。先に述べた通り、決算期は在庫の現金化を急いでいるためです。ですから通販よりも実店舗のほうが有利になります。
単に「値下げしてください」というのはあまり良くないので、「〇〇万円なら買います。」といった購入意思を明確に伝えるのが良いでしょうね。
しかし、値引きができない商品もあるでしょう。
その場合でも、何かをオマケしてくれることがあります。これは、会計上の処理や販売戦略が関係しています。
値下げをすると、単純に店の売り上げが落ちてしまいますね。
しかしシールドやストラップといった小物をオマケする場合、それらは「販促費」として処理できるケースがあります。店にとっては値引きするよりも、販促費で対応した方が負担が小さいため、オマケ対応がしやすいのです。
「値引きはできないけどオマケは出来る」というのは、こういうカラクリで動いているんですね。
お得に買え!
もちろん企業によって決算期は異なるのですが、お店が「決算セール」を打ち出している場合ならば、一定水準の値引きは担保されているはずです。
また、不人気モデルは値引きの幅が大きいですね。
限定モデルは後に高騰するケースもありますが、全く売れずに残ることも多いのです。
そういうモデルを決算期に狙い撃ちすれば、相場から乖離した価格で入手可能です。
不人気だろうが安かろうが、別に良いじゃないですか。
ジャズマスターもかつては、不人気故に投げ売りされていたギターですからね。
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