エレキギターの定番として君臨する「ストラトキャスター」。その完成度と汎用性の高さから初心者にもよく勧められるモデルですが、実際のところはどうなのかを考えてみましょう。
まあ実際、「初心者向けギター」という明確な区分は存在しないと思いますけどね。昔は多くの各メーカーが「エントリーモデル」と称したギターを販売していましたが、必ずしもその実態に即しているわけではありませんでした。ムスタングなんてその典型で、チューニングの不安定さや独特のクセから、初心者向けからは遠いギターになってしまいましたし。
初心者向けの根拠
まずストラトは初心者でも扱いやすい特徴を持つことは確かです。その根拠は以下の通り。
- 弾きやすい形状
ボディのコンター加工とダブルカッタウェイのおかげで、立っても座っても構えやすく、ハイポジションまで指が届きやすい設計。テレキャスターと比べて腕や体への当たりが柔らかい。 - 良好な重量バランス
実際に立って持ってみれば分かるが、非常に良い。バランスの悪いギターはヘッドが落ちてくる。 - 入手性が高い
定番モデルであるため、新品・中古ともに選択肢が豊富。価格帯も幅広く、予算に合った一本を見つけやすい。 - 独立したサドル
サドルは6wayで、各弦ごとに独立したオクターブチューニングが可能。つまり音程が正確。
ただし調整が面倒という現実
ただし、ストラトには初心者がぶつかるであろう部分があります。それがシンクロナイズドトレモロユニットの調整。演奏表現としては強いですが、フローティングの調整がやや面倒なのは事実です。とはいえ一度セッティングが決まってしまえば頻繁にいじる必要はありませんから、そんなに恐れることでもありません。
フェンダーのギターには大抵ビブラートユニットが付いていますね。ムスタング等の比較的安いモデルにも内蔵されていますから、当時はセールスポイントとして強かったのでしょう。
幅広いトーン回路は悩むかも
基本的には3発のピックアップと5wayセレクターで幅広いサウンドキャラクターを持ちますが、ちょっと初心者には分かりづらいかもしれません。リアにはトーンが効かないこととか。まあフルテンなら関係無いのですが。
ピックアップのポジションは、私ならフロントかセンターを選びます。リアのカリカリした音が苦手なため。要するにお好みですが、音の違いは明確ですから初心者でも聞き分けられるはずです。
定番化したことには理由がある。
広く受け入れられている、これが全てでしょう。私はエレキギターといえばストラトの形状を連想しますが、皆さんはどうでしょう。たとえば漫画やアニメにギターが登場する場合、大抵はストラトっぽい形をしていますね。そんな普遍性のあるギターかと。
ストラトには新鋭の機能が搭載されつつもそれが上手く噛み合い、奇跡的に扱い易い形でバランスしたギターだと思います。世に出たギターというのは意外にも欠点があるものが多いですが、ストラトは一つの到達点といってよいでしょう。
高機能で、弾きやすい。そういう意味では、初心者向けと言えるのではないでしょうか。
まあ初心者のうちから音色や弾きやすさを重視する必要もないかと思います。慣れです、慣れ。ボリュームノブに手が当たることなんて些末な問題です。
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