私の自室で使用しているPCデスクは、サンワダイレクトの激安品です。このデスクの特筆すべき点は、フレームの位置が工夫されており、クランプ式のモニターアームに対応していること。
しかしその反面、天板はあまり気に入っておりませんでした。白い化粧板のパーティクルボードで、カタログではそれなりに見栄えしますが、部屋に置くと事務机感が強かったです。強度は低く、しかも重い。その取り柄は、安いことぐらいでした。
一般に机の自作というのは、それなりに大変です。しかも素人作業では精度が出せません。買い替えるにはお金がかかるし、廃棄も面倒です。
そこで今回はフレームを再利用し、「天板だけ自作」してみようと思います。
寸法の決定
これが一番大事です。まずは元のサイズを測定して、そこから想像してください。
元々使用していたものは、1200mm*600mmです。最適なサイズというのはなく、居住スペースによりますが・・・大事なのは奥行き。
快適な作業をしたいのであれば、700mmは必須です。
私は複数のPCとモニターを使いますので、600mmだと絶妙に奥行きが足りませんでした。そこで職場のデスクの使い勝手が良かったので測ってみると、サイズは1400mm*700mmでした。
そのくらいなら部屋に置けそうでしたので、今回は多少居住スペースを犠牲にして1400mm*700mmで作ります。
材の選定
今回はMDF(Medium Density Fiberboard)やパーティクルボードのように木の繊維を固めた材を避けて、集成材を使います。集成材というのは小さい木材を継いで一枚の板に仕上げているものですね。丈夫で安く、見栄えもよいのでDIYの定番です。
机の天板としてポピュラーな集成材は、
- ラバーウッド
- パイン
- スギ
- アカシア
- ヒノキ
などでしょうか。
パイン(Pine)というのはマツの事ですが、建築の世界では欧州アカマツ(レッドパイン)のことを指すことが多いようです。
今回は価格、強度のバランスから、18mmのラジアータパインを選びました。レッドパインとは産地が異なります。同価格帯ではゴムの木のほうが硬いですし、もう少し厚い材が良かったのですが、お店に無かったので仕方がありません。しかし元のパーティクルボードよりは厚いので、特に問題はないと考えます。
強度については。厚みそのものより支点間の距離が重要です。例えば床板などは12~15mm程度の厚みしかありませんが、大人が立っても割れたりしませんよね?それは梁の間隔が狭いからです。
今回再利用する鉄脚は横方向にもフレームが通っていますから、まあ大丈夫でしょう。
また見落としがちな観点として、「重量」があります。天板としては硬くて厚くて丈夫な木材が良いですが、あんまり重いと運搬に苦労します。その点スギやパインは軽くて優秀です。
天板の作成
まずはオービタルサンダーで表面を整えます。400番くらいで仕上げました。この工程の仕上がりは最後まで影響しますので、省略は出来ません。手作業では日が暮れてしまいますから、電動工具は使いましょうね。ホームセンターで数百円でレンタル出来ます。
次に、ドレッサーを使って角を落としています。ドレッサーはヤスリとはまた違った鮫肌の工具で、面取りに絶大な効果を発揮します。うちは子供が小さいことと、ギターをぶつけたときに配慮し、だいぶ極端に落としました。
ワトコオイルでオイルフィニッシュする
表面仕上げはワトコオイルを使います。色はダークウォルナット。私の工程は以下の通り。
- 塗る
- 15分乾かす
- 拭き上げる
- 最初より薄く塗る
- 15分乾かす
- 拭き上げる
- 24時間乾かす
要は塗って乾かして拭き上げの繰り返しですね。公式の手順には「ウェットサンディング」がありますが省略しました。そんなスペースも時間もありませんでしたから。まあ「必要に応じ」とありますので、省略してもまあ問題はないかと思います。実際とても良く仕上がりましたので、満足しております。
注意点として、机の天板を二度塗りするのであれば1Lをおすすめします。200mlでは少々足りず、裏面はちょっと色が薄くなってしまいました。見えない箇所なので良いですけどね。
位置決めをして鬼目ナットを打ち込む
フレームをあてがって、位置合わせをします。フレームと天板の差を2で割った位置に合わせればセンターが出るはずです。あとは乗せたまま、穴位置に鉛筆でグリグリと印をつけます。
今回は元と同じく、鬼目ナットを使ってビス止めします。天板自体が18mmしかないので、鬼目ナットもかなり薄めの10mmを用意。
鬼目ナットは六角レンチで締めるタイプと、ハンマーで打ち込むタイプがあります。私が使用したのは打ち込むタイプ。
鬼目ナットのパッケージには穴径の目安が書いていますから、それに応じたドリルを用意します。止め穴を開ける場合は、木工用ドリルよりも鉄工用ドリルをおすすめします。何でかというと、一般的な木工用ドリルは先端が尖っているうえ、物凄い勢いで掘り進んでしまうからです。
貫通させてしまうと取り返しがつかないので、先端にマスキングして慎重に穴あけします。
鬼目ナットに薄くタイトボンドを塗って打ち込んだ後、締結しました。
完成
完成!
素晴らしい出来栄えではないでしょうか。やっぱり化粧板よりもオイルフィニッシュのほうが、木のぬくもりがあって良いですね。ワトコオイルは使用済みの揚げ油みたいな匂いがしますが、一週間ぐらいで気にならなくなりました。
傷がついたりへこんだりしても、パテ埋めや研磨をしてオイルを塗り直せば良さそうです。やはり奥行きが700mmもあれば十分な作業スペースがあり、DIYも捗ります。
これは詐欺写真で、本来の姿ではないですけどね。モデルルームなんかも酷いですよね。家電のコードとか一切無くて、何故か洋書が置いてあるという。そんな生活感の無い部屋、住みたないわ!
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