ピックガードのシールディング処理について。

例えば一般的なストラトのように、ポット周辺のみをシールディングするのであれば、ホームセンター等で売られているアルミテープをペタっと貼るだけで良いでしょう。

問題となるのは、ピックガード裏を全面シールディングしたい場合。

アルミテープを少しずつ重ねながら貼っても、残念ながら「重ねた部分」には導通がありません。

見た目は銀色で金属同士が接触しているように見えますが、アルミテープの糊面には導通が無いため、電気的には切り離されているのです。

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両面導電性アルミテープによる施工

その弱点を補うため、両面導電性のアルミテープというものがあります。

糊面にも導電粉が含まれており、重ねて貼っても導通があるというわけ。

しかしこれの信頼性も絶対でなく、まあまあ抵抗が高いという弱点があります。

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厚手のアルミホイルによるシールディング

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私としては、厚手のアルミホイルをおすすめしたいです。これこそ真の一枚板であり、どんな形状にでも切り出すことが出来るためです。

アウトドア用品として売られているものが頑丈でして、この『BBQお助けシート』という商品のシート厚は0.04mm。キッチン用のアルミホイルよりも段違いに厚いです。

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これをスプレーのりでペタっと貼り付けて、カッターナイフで切り出すだけです。

そんなに神経質にならずとも、案外簡単に切り出すことができます。

ただし切れ端はショートの要因になりますから確実に除去してください。

一枚板でシールディングする理由

では、なぜ一枚板でシールディングする必要があるのでしょうか?

理由はシンプルで、シールドは“連続した金属の壁”でこそ効果を発揮するからです。もし導通していない断片がいくつも貼られているだけだと、そこに電磁波が入り込む隙間ができてしまい、シールド効果が大きく損なわれます。

ギターのシールドは、外部からの電気的ノイズ(特に静電気的な電界ノイズ)を防ぐための壁です。

この壁は、ただ貼り合わせた金属のカケラでは役に立たず、最大限効果を発揮するには、回路のグランドにしっかり接続された、連続した金属面である必要があります。

導通のないものを貼り合わせても、バラバラの金属片が点在しているだけで、電気的には隙間だらけになるんですね。

仮に金属が分断されていたら、各片はそれぞれ「浮いたアンテナ」となり、逆にノイズを拾って増幅させてしまうこともあります。

純正品のシールドプレート

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そもそも、ストラトのようなメジャーなギターなら、純正品のシールドプレートが存在します。

値段もお手頃なので、そんなDIYをせずとも済むわけです。

しかしピックガードというのは、本当にいろんな形がありますから、市販品が必ずしも適合するわけではありません。

そうしたとき、アルミホイルによるDIYは有効であると言えます。

ハイ落ちについて

ピックガード裏を全面シールディングすると、ハイ落ちするのではないかという懸念がありますね。

残念ながら、ほとんどの場合ハイ落ちします。理屈はさておき。

その場合はコイル周辺からシールドを遠ざけてみたり、スリットを入れたり、面積を減らしてみたりすれば、ノイズ耐性と高域の維持は両立できます。

むやみに全面にアルミテープを貼ったからといって、必ずしも良い結果が得られるわけではありません。

しかし私としてはハイ落ちよりもノイズのほうを問題視します。

だったら純正のシールドプレートやアノダイズドピックガードはどうなるんだって話ですから、ハイ落ちはそんなに気にしないタチです。

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この記事を書いた人

コピバンでドラムを叩いておりましたが、練習環境が無くなったためギターに転向。以後、ギター収集と修理を趣味としております。

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