こんなニュースが報じられました。
強大なブランドであるギブソンが倒産する可能性が報じられたのです。
ギブソンはこのところフィリップスの音響機器部門やDTMソフトのSONARを買収するなどして総合音響機器メーカーへの転身を図っておりましたが、上手くいかなかったようです。オンキヨーとコラボしたヘッドホンなんかも出していましたね。
ネットでは倒産の理由について様々な憶測が飛び交っていますが、その中でなんとなく「ギブソンのブランドイメージが悪い」ことを感じました。
私はフェンダーが大好きではありますが、ギブソンを嫌う理由はありません。レスポールやSGは欲しいギターですし、ES-335は憧れです。
ギブソンはそこまでユーザーから嫌われることをしていたのか?ちょっと考えてみたいと思います。
SONAR開発終了事件
DTMerには忘れられない事件がありました。つい最近までCakewalk社が開発していたSONARという優秀なDAWソフトウェアがあったのですが、2013年にCakewalk社はギブソンに買収されたんですね。
その後ギブソンがSONARの開発とサポートを引継ぐ形となったのですが、2017年11月17日に突如としてギブソンからSONARの開発とサポートの終了が発表されたのです。
Gibsonは優秀なソフトウェアを買収した挙句に、突如としてブン投げ終了させてしまったのです。
これによりDTMerからの評判は著しく悪かったようです。
エボニー材違法輸入事件
希少材であるエボニーを不法に入手していた疑いで家宅捜索を受けたこともありました。インドとマダガスカルで保護対象である黒檀を輸入していて2009年から捜査を受けていたのですが、2012年に違法な輸入の可能性を認めて30万ドルの罰金を支払っておりました。
ギターメーカーとして絶対にあってはならないことです。
シグネチャーモデル問題
その他、Mastodonのギタリストであるビル・ケリハーをして「あの会社は終わってる」と言わしめたことも有名です。
ケリハーのシグネチャーモデルを制作するにあたって、ケリハー氏の意向が伝わらなかったことが多々あったようです。「できるだけソリッドにしてくれ」と依頼したのに、出来上がったものはチェンバー加工されていたとか。注文と真逆のことをしたわけです。結局ケリハー氏はギブソンを去りESPと契約することになりました。
こちらがESPのシグネチャーモデル。ケリハー氏はESPを大絶賛しています。
また同様にマストドンのブレント・ハインズもギブソンとシグネチャーモデルの制作で揉めたことがあると本人が明かしております。
本人が納得しないシグネチャーモデルなんて誰が欲しがるって言うんでしょうね。
信頼を失ったギブソン
以上のことから見るとおそらくギブソンは生き残ることに必死で、誠実さとユーザー目線を欠いていたのではないでしょうか。
長年SONARを使用していたユーザー、ギブソンのギターを愛好していたマストドンの二人のことよりも自社の都合や利益を優先、挙げ句に希少材を不正入手。そういうったことの積み重ねでブランドイメージの低下を招いたのだと思います。
今後ギブソンがどうなるのかは誰にも分かりませんが、おそらくはどこかの会社が買収して、ブランド名だけは残っていくでしょう。
しかし一度失った信用を取り戻すのは難しいです。
ギターを含め楽器全般はブランド商売でもありますので、些細な事で信用を落とさず常にカッコイイブランドであって欲しいものです。誰もが知るギターメーカーなのですから。
それとも大企業病をこじらせてるんでしょうか。
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