遅ればせながらUNDERTALE(アンダーテイル、アンダーテール)をクリアしました。プレゼントしてくれた友人に感謝。
製作者のToby Fox氏は東方シリーズのファンであったり、mother2(EarthBound)のハックロムを作っていただけあって、音楽にはメチャクチャこだわっているようです。
1周のプレイ時間は5時間程度ですが、トラック数は101曲とかなりボリューミー。ゲーム音楽が大好きな私にとっては非常にありがたいゲームです。 motherシリーズはザコ敵との戦闘曲でさえバリエーションが豊富でしたから、その影響がうかがい知れます。
余談ですが、米津玄師の「ごめんね」はUNDERTALEをイメージして作られた楽曲です。当時UNDERTALEにハマっていた米津玄師が勝手にイメージソングを作ってしまったんだそうな。
特筆したいのは、トビー・フォックス氏の楽曲は単純なチップチューンではないということ。ジャンルで言えばチップチューンなんでしょうけどね。
チップチューンというのはざっくり言うとファミコンのようなピコピコした音源を使った曲です。
チップチューンが好きな方は、是非Sabrepulseを聴いてみてください。まんまマリオとかゼルダのメロディが使われていたり、ゲーム好きにはたまらないリフが山盛りです。
私は安易なチップチューンが大嫌いですが、UNDERTALEやSabrepulseの音楽はファミコン音源に限定されず、現代的な楽曲のアンサンブルとしてファミコン音源を使用しており非常に好感が持てます。
ファミコンサウンドを意識しながらも自由な作風で、ファミコン音源を全く使用しない楽曲さえあります。そのあたりのバランスの取り方が上手いんですね。
また「Spear of Justice」や「Battle Against a True Hero」ではZUNペットと呼ばれる「東方っぽい」音源を敢えて使用しており、やはり音楽へのこだわり方は並々ならぬものがあります。
ゲーム音楽という制約
ゲーム音楽といえば制約が多く、例えばアクションゲームであれば1ループはせいぜい50秒。1分を超えれば長い方です。ステージに合わせて勇ましさであるとかスピード感を強調した楽曲ですね。RPGのフィールドマップも1ループは1分に満たないくらいです。最初から最後まで聞き続けることになるので、飽きの来ない作りでなくてはいけません。
「ループ前提の短い尺」
「シーンに合わせた曲調」
「飽きのこない作り」
ゲーム音楽はこのような制約がある事が前提ですが、アンダーテールはあえてこれらを無視したような作り。
UNDERTALEの音楽の良さを考えてみましょう。
シーンにマッチした曲と尺の長さ
UNDERTALEには2分を超える曲が結構あります。序盤で流れる「Home」なんて、フィールド音楽なのに2分3秒もありますからね。
短い1ループという制約に縛られずに作曲されているので、物足りなさを感じることなく楽しめる曲が多い印象です。
インタビューによると、何と「曲に合わせてストーリーを作った」部分もあるそう。音楽先行でストーリーを作るとは。東方もそうらしいですね。
トラック数の多さ
前述の通りトラック数が多く、サントラ収録曲は101曲。シーンやボスキャラクターに合わせて細かく曲が設定されているため、最後まで全く飽きずに聞いていられました。
ストーリー終盤にかけての盛り上がりなんて、もう最高でしたね。緊張感のある曲が続いたかと思いきや、油断させるかのごとく温かい曲を挟んできたりと、ニクい演出だらけでした。
ゲーム音楽の良さはゲームありきな面が大きいですが、稀にゲームという垣根を飛び越えて評価される曲が出てくるのも事実です。UNDERTALEには間違いなくそれがあります。101曲もあるわけですから、こんな記事をわざわざ読んでいるような方には間違いなく刺さる一曲があるはずなので、是非ともプレイしていただきたいと思います。
STEAMのセール時には392円で買えますしね。またゲームに興味が無い方でも、サントラだけでも聞いていただきたいですね。AppleMusicにて配信中です。
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