リッケンバッカーといえばクソみたいに高く、クソみたいにカッコ良く、見た目の割にチャキチャキしたブライトな音が特徴。
リッケンバッカーのコピーモデルはどれだけあるのか
コピーモデルも少数ながら存在し、HoneyとかフェルナンデスとかARIAとかグレコから出ていました。昔の話ですけどね。
今回入手したのは、フリマアプリで偶然見つけた「Honey」の「SG-5」というモデルです。この記事では便宜上リッケンバッカーと呼びます。
見てわかるように330のコピーですが、コピーモデルというよりはビザールギターに近い雰囲気です。ニセモノとはいえリッケンバッカーの格好良さを踏襲しています。
調べてみるとどうやら1960年代に製造されたもののようです。1960年代当時の使用者として代表的なのは、間違いなくジョージハリスンでしょうね。
コピーモデルはその時の流行で乱造される傾向があり、例えば1970年代はCharの影響でムスタングのコピーモデルがやけに多いです。雑誌広告の初心者向けギターまでムスタングでした。とても初心者向けのギターとは言えないと思うのですが。
今は流石に堂々とリッケンバッカーのコピーを作っているメーカーはありません。
フリマアプリの商品説明には「塗装剥げがひどい」と記載されており、商品画像を見ると確かに全体的にひび割れがあるように見えました。
しかし私はあんまり気にしないので、物珍しさでつい購入してしましました。何よりタダみたいな値段でしたから。
今思えば、見境なくギターを買いすぎてバチが当たったのだと思います。
思ったよりもひどい状態
実際に届いた商品を見てみると、流石にこれはひどい。ご覧の通りひび割れとサビがものすごいです。ひと目見てこれは失敗したなと思いました。
触ると塗装がバリバリと剥がれて床に落ちます。
私の中古ギター遍歴でもここまでひどいものは初めてです。
おそらくこれはラッカースプレーのリフティングと呼ばれる現象で、何らかの塗装に上塗りしたか、下地との相性が悪かったためだと思われます。
こんな状態ですがビグスビーもどきの動きは案外スムーズ。本物を触ったことがないので細かい部分の再現度は不明。木材もよく分かりません。
ブリッジはサビサビ。ローラーブリッジっぽいですが回りません。
コピーモデルであるが故の多少の遠慮なんてものはまるで見られず、堂々とコピーしております。リッケンバッカーをここまで再現している品は案外珍しいです。ヘッド形状も完全に一致。しかしロゴは全く別物です。他メーカーは文字の下部を一文字に繋いでホンモノに似せていることが多いですね。
しかしリッケンバッカーのアイデンティティであるロッドカバーの形状は結構違います。本家はもう少しカーブが滑らかですが、これは角度の変化が大きいですね。
ペグの裏は謎の刻印が。何か元ネタがあるのでしょうか。
裏面は案外きれい。ちゃんとセットネックになっていますし。表面だけ苛烈な環境だったのでしょうか。常に直射日光に晒されていたとか。
意外にもコントロールはちゃんと効いており音も出ました。この状態で音の評価は難しいですが、異様にチャチな音でした。しかし本物のリッケンバッカーもなかなかユニークな音ですからね。
とりあえずリペアのことを考える
届いた瞬間に私は失敗を確信していたので、リペアに出そうと考えていました。DIYが趣味の私ですが、ここまでの品は正直言って手におえません。
塗装と木工に素人が手を出すべきではないのです。
ですので即お店に見積もりを依頼しました。軽く診断してもらった結果、「いくらコピーモデルとはいえこの塗装剥げはひどい」との事。色々調べてみましたが、同じように剥げている個体もありましたので塗装の質が悪かったのでしょう。
とりあえず黒の光沢塗装で見積もりを依頼し、3万くらいでやりましょうとのこと。塗装の剥離も込みで全塗装3万円ならかなり良心的ですね。剥離と全塗装は普通10万円はしますよ。
出品者から「やっぱ返して」と言われる
お店に見積り依頼をした家路、出品者から衝撃のメッセージが。
「お譲りしたギターは兄の物だったということが発覚した。今後の兄弟関係に関わるので、返して欲しい。」
いや、知らねえよ。人のものを勝手に売ってんじゃねえよ。売る前に確認しろよ。買う側には誰のものかなんて関係ねえよ。
と言いたいところでしたが、私も鬼ではありませんし、失敗した買い物だと思っていましたので返却してあげることにしました。
哀れ、ボロボロのリッケンバッカーは、数分も触る事なく元の持ち主に返却することになったのでした。
滞りなく返金処理は行われ、丁寧に梱包してお兄さんの住所まで送ってあげましたがその後到着のメッセージ等は何も届きませんでした。
そこそこ取引数の多い出品者だったのでそれなりに信用していたのですが、非常に残念な結果です。どこのフリマアプリでもそうなんですけど、家族のものを勝手に売る人が多すぎます。
家族間の所有物だと刑罰にはなりませんが、縁を切られても仕方がないですよ。家族だからと言って、勝手に物を売ったり捨てたりして良いはずがありません。
そもそも楽器には本人にしか理解できない価値があります。高級品だろうと、安物だろうと、ニセモノだろうと。
ギターだけじゃないです。個人所有の楽器には特別な想いが宿るものなんです。
だから勝手に売ったり捨てたりして良いはずがありません。触るのだって本人の許可が必要です。
とにかく他人の楽器を杜撰に扱う人が多すぎます。何されても文句言えませんよ。
余談:音について
ホロウボディですのでそこそこの音量はあったのですが、この状態でまともな判断はできません。
メンテしていけばそれなりに復活したでしょうが、持ち主に返してしまった今となっては確かめようがありません。どなたか同じ品を入手したら教えてください。
というかHoneyのコピーモデルについて情報をください。
リッケンバッカーって結構「憧れのギター」ですから、コピーモデルだとしても手元に置いておきたかったんですけどね。グレッチのように、本体の意匠が強いので精巧なコピーは少ないのです。
ここ日本においてはリッケンバッカーの情報は極端に少ないんですよね。日本人の使用者はサカナクションの山口一郎、VOLAのアヒトイナザワ、銀杏BOYZの峯田和伸ぐらいしか思い当たりません。
コメントでいただきましたが、森高千里が赤の620、AKBの高橋みなみが「ハート・エレキ」のPV内で赤の330を使用しているそうです。またセクシー女優のあやみ旬果が黒の330を使用。現在は音楽活動をしているそうですね。
私が入手し損ねたのはニセモノですが、いつか本物が欲しいものです・・・。
コメント
メジャーなところでは、森高千里がライブで使用しています。
(私の中では森高=リッケンバッカーのイメージです)
ミーハーなところでは、AKB48の『ハート・エレキ』で高橋みなみが使用しています。
(ジャケでは各メンバーがそれぞれレアなピザールギターを抱えています)
もうひとつ思い出しました。
セクシー女優の『あやみ旬果』が黒の330持ってます。
他にギブソンJ‐45も持ってるしタダモノじゃないと思います。
(ミュージシャンじゃないからカウント外でしょうか?)
あやみ旬果さんは現在は音楽活動をされているようでしたので、早速記事に反映させていただきました。
情報提供ありがとうございました。
※申し訳ありませんが、この記事はどうもスパムが多いためコメント欄を一旦閉鎖致します。