エフェクターギター

何故我々は歪み系エフェクターばかり買ってしまうのか?

スポンサーリンク

そもそも私が本格的にエフェクターを使い始めたのなんて去年からの話で、それまではほとんど生音、たまにアンプを使う程度だった。スタジオに入る機会も無し、THR10のモデリングで満足していたというわけだ。

しかしオーバードライブやファズを自作したり安エフェクターを買っているうちに楽しくなり、歯止めを失ってしまった。そうなるともう減ることはなく、増える一方である。

もっとも、何かに凝ることやモノを買いすぎる事について私は全く構わないと思っている。買い物に失敗は付き物だし、そんなの洋服だって、トレーディングカードだって、家電だって同じことだ。人生、多少の趣味やコレクションがあった方が豊かに生きていける。かまやつひろしだってそう言っていた。

私は断捨離なんて代理店臭いコピーが嫌いで、それに踊らされて部屋をもぬけの殻にしてしまうのは愚か者の所業だと思う。

もちろん趣味のせいで困窮したり、生活空間を圧迫したり、家族に迷惑をかけているようであれば話は別だ。その趣味からは足を洗うべきだろう。

こちらが不肖、私のペダルボード及び棚である。ボードからはみ出てしまっているが、ここで問題にしたいのはエフェクターの数とか本棚の汚さではない。その内訳だ。

私の持っているエフェクターは、以下の通り。

  • FUZZ FACE JD-F2
  • FUZZ FACE FFM2
  • FUZZ FACE(シリコン版自作)
  • OVD-1(自作)
  • Ibanez SM7 SMASH BOX
  • ビッグマフ
  • ZEUS
  • OCD v1.7
  • TUBULATOR MTE-1
  • TUBULATOR MTE-1
  • マルチストンプ MS-50G
  • STEREO CHORUS SCH-Z
  • ORANGE SQUEEZER(自作)
  • ループスイッチャー

14個あるうち、10個が歪み系である事が問題だ。普通に考えて歪みはそんなに要らない。

しかし私は歪み系を買うたびに、「何て素晴らしい歪みだ!もうこれ一つで十分だ!」なんて言いながらも、数ヶ月後にはまた別の歪み系を買ってしまうのであった。これはもう、完全に沼にハマってしまっている。どうも「これで最後」を繰り返すのはギタリストにありがちな事のようだ。

何でそんなに歪み系ばかり買ってしまうのだろうか。その理由を考えてみたい。

種類が多すぎる

歪み系といえばギタリストの必携品だ。だから売れ筋だし、市場に並ぶ数は多い。ファズ、ディストーション、オーバードライブという区分の中でファズフェイス系だとかRAT系だとかTS系だとか、とにかく細分化が激しいのである。選択肢が多いというのはメリットでもあるが、どれを選んだら良いのか分からないというデメリットがある。

だから販促においては、「松竹梅効果」という消費者心理を利用する。商品を上中下とかSMLとか、グレードを3つに分けると中間が最も選ばれやすいという効果だ。中間に利益率の高い商品を置く事で利益を最大化出来るし、ユーザーも迷わないで済む。

しかし残念ながら、歪み系の選択肢はそんなに親切ではない。

歪みは系はあまりにも種類が多く、同じメーカー内でのバリエーションも多岐にわたる。だからユーザーとしては迷ってしまい、いくつ買っても満足のいく結果が得られないという状態に陥ってしまうのである。

大して高くない

仮にエフェクターが10万円もするような商品であれば、そんなにいくつも買い集めないだろう。しかし回路が単純な歪み系は基本的に安く、1万円〜2万円くらいがボリュームゾーンだ。BOSSのSD-1なんて1万円もしない。一流メーカーであってもその程度の金額で、楽器の機材として考えると明らかに安い。そのためつい財布の紐が緩んでしまうのだろう。

しかも今の時代、高価なエフェクターであっても大抵は安価なクローンが存在する。ハイブランドとファストファッションの関係よろしく、誰もが予算に合った選択肢を持てるのである。

場所を取らない

エフェクターというのは、小さい。比較的大きなビッグマフだって机の上に置いておけるサイズだし、Helix Floorのようなフロア系のマルチエフェクターも面積は広いがただの板である。居住スペースを圧迫するほどのサイズではない。ペダルボードを組んでいるのであれば、それごと片付けてしまえば良いし、最悪の場合は押し入れに仕舞えば済む。

つまりこれは、家族に隠れてコソコソ買う事も可能であるという事だ。

トレンドがある

エフェクター業界にはトレンドが存在している。新製品を著名人が褒めると、みんな一斉に群がる。90年代のアメリカではTS9が大流行していたそうだし、最近それが観測されたのはVEMURAMのJan Rayだ。

新製品が出て、誰かがそれを褒める。みんなそれに群がる。定番はあれどトレンドは移り変わるので、常に同じものを使い続けるのは意外と難しいのである。

まとめ

歪み系エフェクターを買いすぎてしまう理由はこんな所だ。しかし無尽蔵に金があるわけではないのでどこかで納得しないといけないが、そこに到達するまでの道のりがあまりに長い。

個人的には、ペダルボード上は5個ぐらいで済ませたい。だから敢えて小さめのペダルボードを使っている。しかしそれをはみ出して、エフェクターが増える増える。

ファズ、ブースター、オーバードライブ、ディレイ、コーラスぐらいで纏めたいが・・・。その境地に到達するには、私は経験不足のようだ。

ギター・マガジン 2022年1月号
リットーミュージック
¥840(2024/11/21 06:43時点)

ギターマガジンでこんな特集が組まれる程度には、エフェクターを絞り込むのは難しいようである。

今度個人的に、3つに絞ってみようと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました