男の憧れ、それはデニム。
それも自分で育てた生デニムだ。
車で轢いてダメージを与えたり、穿いたまま海に飛び込んだり、ちょっとした無茶をする者も居る。
今回はそんな、生デニムのお話。
私はデニム愛好家というほどではないが、好きという気持ちはある。
大学の頃はボロッボロのリーバイス501を愛用し、裾は破れ、生地はペラペラになり、パジャマのような穿き心地になっていた。
しかし、今同じものを着たっておしゃれになるわけではない。
デンハムの、ちょっと良いデニムを買ったりもした。
デンハムはとにかく加工が良く、細部の仕上げもお洒落で気に入っていた。
しかしDIY愛好家として、自分で生デニムから育てた経験がないというのは、ちょっとしたコンプレックスだったのだ。
ここは一念発起、海に飛び込む可能性も考慮し、暑さが残る季節にデニムを育てることに決めたのである。

リジッドデニム、通称生デニムは、その名の通り一度も水を通していない。
故に、初回の洗濯時に激しく縮むのだ。
ウェストでおよそ1~2インチ縮み、レングスでは2~3インチ縮む。
というわけで逆算して、私はW30L32のものを購入することにした。
まず穿いてみると、糊が効いておりバリバリのゴワゴワだ。


セオリーに従いこのまま暫く穿いて過ごすことにするが、何の効果があるのかはよく分からない。
その後、海にダイブするわけにはいかないので、代わりとして湯舟にダイブする。

その際には酢と塩を入れる。
効果はよく分からないが、どこかにそう書いていたため言う通りにする。
まるで料理にでもなったような気分だ。
そしていよいよ、湯船にダイブだ。

生地が肌に張り付き、水面には青い汚れが浮く。
この瞬間は正直楽しい!
さて縮む量にも限界があるだろうから、過度の長風呂はしない。私は30分程度で上がった。
そして次が最も大変な手順。
濡れたまま穿いて過ごすのである。
映画『さらば青春の光』でも、ジミーが同じようにしていた。
だからこれは、夏にやるべきだ。
3時間ぐらい過ごしただろうか、ほとんど乾かない。
正直このまま完全乾燥させるのは不可能だろうし、やはりシュリンクにもその限界がある。
ほどほどで切り上げて、あとは普通に吊るして干すことにした。


さて、これが乾燥後である。
私の形状へとシュリンクされ、ぎゅっと縮んでいる。
ヒザ裏にも良い感じにアタリが付き、立体的になっている。
当初の見立ての通り、ウェストは1インチ、レングスは1~2インチ縮んでいる。計算通り!
しかしこれはほんの序章であり、育つのは数年後であろう。
私としてはあまり極端なことはせず、自然に穿いて、汚れれば適宜洗っていくつもりだ。
というか、服ってそういうものだろう。
これが数年後、忘れられない思い出へと育っていくことに期待しよう。
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