ギター音楽評

いつの間にか市民権を得ていたエリクサー。その理由とは。

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エリクサーが発売した1997年当初、評価はとても低かった。

「最初の音は良いが、音がすぐ死ぬアーニーボール」

と対比して、

「最初から音が死んでいるエリクサー」

などと揶揄されていた。

しかし最近、エリクサーを始めとしたコーティング弦の使用者はとても多い。その理由は、コーティング弦とノンコーティング弦のサウンド差が縮まったからであると考えられる。

そもそもエリクサーは当初、polywebしか存在しなかった。polywebのコーティングは極厚で、「音が死んでいる」と揶揄されたのはこれだ。そしてコーティングの薄いnanoweb,optiwebというようにラインナップが拡充されていった。

最も後発のoptiwebは2017年の登場で、ノンコーティング弦と変わらないサウンドを売りにしている。評価が逆転したのはこの辺りからだ。

究極のコーティング弦、「OPTIWEB™」誕生

もちろん新品のアーニーボールには敵わないが、公式サイトで視聴してみると明朗なブライトサウンドであることが分かる。コーティング弦も、ついに実用に堪えうるレベルに到達したのである。

もちろんコーティングが極限まで薄くなっている分、以前の製品よりも寿命は短めであると言える。しかしエリクサーを寿命まで使い切ることなど稀だろうし、それ以前に他の箇所をメンテナンスするために交換することの方が多いだろう。そのため実質的に、optiwebの寿命を意識する必要は無い。

だから大抵の人はoptiwebを買っておけば問題無いが、メリットばかりではない。何故なら、optiwebは高いからだ。

私はメンテナンスの周期が比較的短く、optiwebを使うにはちょっともったいない。だからメインギターには中間のnanowebを張っている。

もちろんpolywebにも使い道はある。安くて長寿命なわけだから、ほぼ弾かないギターに張りっぱなしにしておくには最適だ。あるいはウォームサウンドを求める人も居るだろう。

かつては500円で入手できたアーニーボールも今や1000円である。弦の高騰を、長寿命のエリクサーで乗り切るのは有効な手段だ。

開票結果は以下の通り。かつては不人気だったエリクサーが、まさかの一位という結果になった。これはコーティング弦の価値が認められたと言って良いだろう。

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