
以前の記事でも触れましたが、613と613USTには明確な違いがあります。
まず基本からおさらいすると。
613はオリジナルのアメリカンモデル。身幅とアームホールが極太で、着丈は短く、クラシックな無骨さが特徴です。
一方の613USTは日本専用モデル。肩幅・身幅がコンパクトになり、着丈と袖丈が延長され、よりスリムに着られるよう調整されています。
これらはカタログの数値を見れば一目瞭然。
しかし、実はカタログには載らない違いがもう一つあります。
革の厚さという、もうひとつの違い

それは「革の厚さ」です。
オリジナルの613はとにかく分厚く、ご覧の通り自立するほど。
特に古い個体ほどその傾向が強く、まさに「アメリカのレザージャケット」といった迫力があります。
対して613USTは後発モデルということもあってか、全体的に革がやや薄め。動きやすく、軽快な印象です。
厚ければ良い・・・とは限らない
分厚い革ほどマニアに好まれる気がします。
しかし、実際に着るとなると話は別です。
厚い革は着づらいし、ウルサイ。
「ウルサイ?」と思われるかもしれませんが、これは本当の話。
分厚い革は動くたびにギシギシと鳴るんですよ。
いわゆる「革擦れ」。これが想像以上に音を立てます。
冗談抜きで、これを着てスタジオで収録なんて絶対ムリです。
「着こめば馴染む」は本当か?
よく言われる「着こめば馴染む」という言葉。
まあある程度は、馴染んで柔らかくなったりもするでしょう。
しかし劇的には変化しません。
私の613は1980年頃の個体で、すでに何十年も着込まれているはずですが、それでもギシギシ鳴ります。
クリームを塗れば多少は改善しますが、それも完全ではなく。
一方の613USTは革が薄く、最初から動きがスムーズで非常に静か。
買った当日からほぼ無音です。
この差は経年変化よりも、やはり革の厚さの違いのほうが影響が大きいはずです。
最後に:厚いか薄いかは、完全に好み
厚い革はワイルドで、Schottらしい印象。
薄い革は軽快で、日常的に着やすい。
どちらにも良さがありますが、好みとしか言いようがないですね。
ただし経年変化で革擦れがゼロになったりはしませんから、この点だけは知っておいて損はありません。
私はどっちが好きかって?
そんなの、両方持ってるに決まってるじゃないですか。




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