グレッチが弾きにくいのかどうか。グレッチに興味を持ち当ブログに来てくださる方が多くて嬉しい限りです。
ありがとうございます。弾きづらいです。私のメインギターはジャズマスターでそちらも弾きづらいのですが・・・。
グレッチの弾きづらさはジャズマスターなんて比べ物になりません。
大きさについて
でかいです。
私のG6120 Nashvilleはボディ幅16インチ、深さ2.75インチ、ミディアムスケール。これでも十分でかいですが、グレッチとしては標準的なサイズです。
ホワイトファルコンとカントリークラブはもっと大きく、ボディ幅17インチ、深さ2.75インチ、ロングスケールとグレッチ最大のサイズを誇ります。
このような感じで、グレッチは幅と深さでバリエーションがあるとお考えください。
6120は普通のアコギのサイズに近く、普段からアコギを弾いている人には違和感が無いと思います。あくまでもソリッドタイプのエレキギターよりは大きいというだけの話です。
グレッチはアコギと似たようなサイズ。
そう考えていただければイメージしやすいかと思います。
というか女性シンガーソングライターだって平気でドレッドノートとか弾いているわけですから、大きいからといって弾けないということではありません。慣れとか考え方の問題だと思います。
ブリッジについて
グレッチのブリッジはアーチトップギターによくある木台とブリッジの組み合わせ。この木台はボディに乗っかっているだけなので、弦を緩めるとフリーになります。
そこにダメ押しするかのようにロッキングバーブリッジを搭載。これは一本の棒ですので、オクターブチューニングが絶対に合わない事は想像に難く無いと思います。またその名の通り、ロッキング・チェアの如く前後にカタカタ動くのです。
安定したチューニングのためビグスビーの動きに追従するようになっているのですが、却ってチューニングが狂いやすいというポンコツです。ジャズマスターも全く同じ構造ですよね。
私は我慢できずにTOMブリッジに交換してしまいました。
2016年以降はほとんどのモデルがピンドブリッジ(ピンブリッジ)に切り替わっており、ズレる心配がありません。外したとしてもすぐ元の位置に戻せます。このメリットは大きいので、購入時はピンドブリッジかどうかは絶対に確認しましょう。ちなみに2016年以前にもピンド仕様はあります。
ピンドブリッジに否定的な人も居ますが、大した理由は無いと思われます。保守的な人が「ピンドブリッジなんてけしからん!」と言いたいだけでしょう。ギターの世界では、たとえ不合理な仕様であっても伝統として好む人が多いのですよ。
伝統と合理性のどちらを追求するかという好みの問題なので、絶対的な正解はありません。
ただ私としてはピンドブリッジ推奨派です。そもそもグレッチ自身がピンドブリッジを推し進めており、プレイアビリティを上げて裾野を広げようとしていると見られるため、その判断は間違っていないと思います。
ビグスビーについて
ビグスビーは楽しいですよ。まず見た目が格好いいですし、他には無い独特のフィーリングがあります。ただ動きの大きさの割に音程が変化しないのは笑いどころですが。変化量で言うとジャズマスターくらいで、ストラトやムスタングには劣ります。
ビブラートユニットの宿命として、チューニングは狂いやすいです。まあ何度か使ってチューニングを繰り返していると、次第に安定してきます。
問題なのは弦交換。
ビグスビーの弦交換はピンにボールエンドを挿して巻き付ける形ですが、弦は真っ直ぐに戻ろうとするのでポロッと外れてしまうのです。これはめちゃくちゃストレス溜まりますよ。
私はボールエンドを90度折り曲げてから巻いていますが、それでもポロッと外れる事があります。
ジャズマスターの弦交換は10分で出来ますが、ビグスビーは30分かかります。どのくらいの難易度か想像できますでしょうか。
ハウリングについて
大きなフルアコースティック構造なので、ハウリングが起きやすいのは間違いありません。ただし私は激しく歪ませて大音量で弾く機会は少ないのでそこまで気にした事はないのですが。
有効なハウリング対策はあまり無く、歪ませ過ぎないことやアンプから遠ざかることなど、基本的な対策を打つしか無いでしょうね。海外製品にfホールを塞ぐプラグがありますが・・・。ウレタンフォームを入れたり、テープで穴を塞ぐ人も居ますね。
ハウリングを嫌うのであれば穴のないテネシーローズ、センターブロック仕様のホワイトファルコン・ナッシュビル・ブロードキャスター等を使いましょう。
しかし現行品はトレッスルブレーシングを採用するなどして必要以上の生鳴りは抑えられていますので、そんなに酷いハウリングは起きない気がします。
弾きにくい3要素
つまりグレッチの弾きづらさは、ボディサイズ・ブリッジ・ビグスビーの3要素で構成されていますが、ボディサイズは単に慣れ。ビグスビーの扱いも慣れ。
しかし個人的にブリッジは慣れで済みません。
弦を緩める度に位置合わせをするのはそこそこ負担が大きいため、最初からピンブリッジのものを買った方が良いです。それか位置決めをして両面テープで貼り付けましょう。両面テープが挟まっている程度ではサウンドに影響しません。
音の特徴
初期のグレッチはディ・アルモンド社のダイナソニックを搭載していましたが、1957年以降は自社で開発したフィルタートロンが採用されています。そこから派生してハイロートロンなどのバリエーションが生まれました。
フィルタートロンはハムの割にパワーは控えめで、澄んだ高音域が特徴です。太い中低域を特徴としていたギブソンとは全く異なる味付けです。
ブライアンセッツァー曰く、フェンダーとギブソンの中間のような音がするんだそうな。
良く言えば良いとこ取り、悪く言えばどっちつかずといった所でしょう。
私見ですがフィルタートロンは変な音です。グレッチからするとフィルタートロンはダイナソニックの欠点を解消した理想的な自社製品ではありますが、ノイズ耐性と引き換えに犠牲になった要素も多いんじゃないでしょうか。「音が悪い」とも「独特の音」とも取れます。
私の個体は歪み系エフェクターと相性が良いため、TS系と組み合わせて使っています。というか最近のグレッチユーザーは歪ませる人が多いですね。
フィルタートロンの面白さは弾いてみないと分かりません。
まとめ
こんな感じで、お世辞にも弾きやすいとは言えないギターです。誰が高いお金を払って扱いづらいクソギターを買うんだという話ですが、愛好家が多いのも事実。一旦グレッチを買うとグレッチばっかり欲しくなってしまう、そんな不思議な魅力を秘めたギターです。
というかギターを買う時に弾きやすさなんて考慮する必要はありません。ギターは見た目が一番、他は全部後付けに過ぎないのです。
グレッチは見た目全振り、後先考えずに買ってしまえば幸せになれます。
コメント
グレッチは四本持っていますが弾きづらいと言うのは嘘ですね!
四本もグレッチをお持ちなのですね。羨ましい限りです。本文にも書いてある通り慣れの問題なのでしょうね。
ソリッドギターがメインの私には、グレッチの大きさは扱いづらくて仕方がないというお話でした。