ダメギターであるジャズマスターにも、ほとんど唯一と言って良い絶対的な長所があります。

それはボディ形状。
ジャズマスターはその名の通りジャズプレイヤーをメインターゲットとして開発されました。
そのため座って弾くことの多いジャズプレイヤーを意識して、窪みの位置を左右ずらして配置しています。オフセットウエストと呼ばれていますね。これが実に体と良く馴染むんです。
またそのせいかジャズマスターの重量バランスは良好で、立って弾くときにはしっかりとヘッドが上を向いてくれます。

ストラトには滑らかなコンター加工が施されていますが、窪みの位置は左右対称であり、座って弾いたとき体と窪みの位置が微妙に合いません。


ボディシェイプがよく似た、オフセットウエストの兄弟たち。
フェンダーとしては相当の自信があったようで、この形状はジャガーまで続きました。チューニングの不安定さもしっかりと引き継いでいるのは喜劇的ですが。
鋭く尖った左右非対称のボディ。
この“オフセット”こそがジャズマスター最大の個性であり、他の機構を凌ぐ真価でしょう。
フェンダーの発明で一番すごいのは、結局このオフセット・ウエストだと本気で思う。


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