今回は、グレッチのエスカッションのお話。
実はグレッチのエスカッションは、多くの場合単なる飾りです。フィルタートロンやハイロートロンといったピックアップは基本的に本体に直付けされていますから、構造上エスカッションが無くとも問題ありません。隙間を隠す程度の意味合いです。
「ベゼル」「ピックアップリング」といった名称も用いられます。
もっとも、近代的なモデルやエレマチなどの廉価版においては、ピックアップをマウントしている場合もあり、高さ調節が可能です。これをイングリッシュマウントと言います。
私のGretsch 6186 Clipperはゴールドのエスカッションが付いていましたが、本来はシルバーのはずですからおそらく交換されています。今回は元通りにシルバーのエスカッションを取り付けようと思います。
グレッチの純正部品は代理店がフェンダーになってから手に入れられなくなってしまったので、シルバーのエスカッションを探すのも一苦労でした。ふざけてますね。
ちなみにTV Jonesは一部のグレッチ純正部品を作っておりますので、ほぼ同一の品です。
先にピックガードを取り外します。このとき、ピックガードとブラケットを分離しないほうが後が楽です。
エスカッションを留めているネジは、時期によりプラスネジとマイナスネジが混在しています。1950年代後半はマイナスネジでしたが、徐々にプラスネジに置き換わっていったようです。
ご覧の通り、エスカッションはボディに載っているだけで、ピックアップとは繋がっていないことがお分かりいただけるかと思います。見えない部分の塗装がものすごい雑なのは御愛嬌。ヴィンテージギターってそんなもんです。
交換完了。いい感じですね。
グレッチのエスカッションは透明アクリルを裏から塗装しており、非常に美しい仕上がりです。反面とても脆く、ネジのストレスで簡単に割れてしまいます。ですので締め過ぎには要注意。
ここが金だろうが銀だろうが、多くの人にとってはどうでもいい話です。しかし6186 Clipperは当時の廉価版ギターですから、ゴールドパーツが付いているのは違和感があります。
ハイロートロンも銀色ですから、ここはシルバーでシックにまとめたほうがいい感じだと思っていますが、如何でしょうか。
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