DIYギターグレッチ

遂に入手した、テネシアンのピックガードを取り付ける。

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ビンテージのグレッチにおいて、ピックガードというのは紛失や破損がとても多いパーツです。薄いアクリル板なので割れやすく、また邪魔なので取り外されてしまうこともしばしば。ストラト等におけるピックガードと違って必需な部品ではありませんから、軽視されがちです。

私の1962年製6119テネシアンも、購入時からピックガードがありませんでした。

間に合わせに、たまたま手に入れたカントリー・ジェントルマン用を付けてはいましたが・・・。

これはこれで乙なものですが、最初から無いということに多少の不満を持っていたのです。

そしてフェンダー傘下である現在、グレッチのパーツはほぼ手に入らなくなってしまいました。またグレッチのピックガードにはブランドロゴ、機種名、チェットのシグネイチャーが入っていますから、アフターパーツにも期待できないのです。

それに追い打ちをかけるように、チェットとの権利関係で「テネシーローズ」という名前の期間が長かったものですから、「テネシアン」と表記されたピックガードなど、夢のまた夢でした。

しかしこの度、現行テネシーローズは晴れて「テネシアン」の名を取り戻しました。つまり、入手のチャンスがある!

オークションで粘ること一年、ついに現行テネシアンのピックガードを発見!同時にビンテージものもありましたが、割れているうえ高額だったためスルー。

少々高い買い物でしたが、「テネシアン」ロゴ入りの新品ピックガードを入手したのでした。

さて、早速取り付けようと思ったのですが、問題が。

元のボディ穴と、ピックガード側の穴の位置が全く合わなかったのです。

現行品は穴位置がだいぶ上方に寄っているんですね。機種とか年代で穴位置やシェイプが異なるため、なかなか厄介なのです。

ビンテージグレッチの製造方法だと、工場にはブランクのピックガードが届いていたはずです。それをピックアップ位置に合わせて削っていたとと推測されます。切り欠きの無いブランクもたまに出品されますからね。

そのため何もかもがバラバラ、同一のピックガードを買ったところで必ずしも適合するわけではなく、非常に面倒な問題なのです。

今回は、現行品のピックガードをなんとかビンテージのテネシアンに取り付けてみようと思います。

まず穴位置をずらしたいわけですから、ステーを作ってオフセットさせれば良いのです。立派な金属製のステーを用いる必要などなく、木で十分。

使ったのはアイスの棒。これを3枚積層して、タイトボンドで接着します。タイトボンドは5%まで薄めることができ、その方がよく木に染み込んで接着が良くなります。薄めたものと原液を併用する人も居ますね。捨て板を介してクランプで圧着し、24時間待機。

ボディトップ用の厚いステーと、ボディサイド用のワッシャーを作成しました。

先に、アーチトップギター用の汎用ブラケットとピックガードを組み合わせておきます。また傷防止として、座面はマスキングテープで養生しています。ビンテージ品も紙テープが貼られていますね。

制作したステーの下側の穴に皿取り加工をして、元のボディ穴に締結します。ネジ頭とピックガードは接触して欲しくありませんから、しっかりと埋め込みます。

そして上部の穴に、ピックガードを締結。こちらの穴はしっかりとネジが効くようにしてあります。

ここのネジが貫通するとボディに穴が空いてしまいますから、ボルトクリッパーでネジを切断して丁度良いサイズにしました。

その次に、木製の座金を挟んでボディサイドと締結します。

穴位置がずれたことでステーの取り付け角度にズレが生じており、ボディと並行に接触しません。そのため、座金を熱湯で柔らかくしてから挟み込んでいます。これが斜めに潰れることで、取り付け角のずれを緩衝することを期待しました。ブラケットとアイスの棒がミラクルフィットしております。

市販品としては、テーパーワッシャーという部品がありますね。

ビンテージグレッチのブラケットは、一穴で取り付けるタイプです。しかし同等品は存在しないため、上側の穴だけを使用しています。切断してもいいかもしれませんね。

全体のネジをゆっくりと締め付けたら完成。

まだ無理な方向に力がかかっていますから、本締めはしていません。アクリル製のピックガードが割れる可能性があります。

数日かけて様子を見ながら、アイスの棒が良い感じに歪むのを待ちましょう。

というわけで、私のテネシアンが本来の姿を取り戻しました!

この時代のテネシアンはヘッドプレートがなく、機種名を識別できる情報はピックガードだけなのです。

何もない姿もクールでしたが、やはり銀色のピックガードがあるとビシッと締まりますね。

ちなみに取り付け位置が大分上に寄っていて、ボディからはみ出ていますが、実は機種や個体差により全然あり得る設定です。

というわけで、ピックガードの捜索というオデッセイは一旦の終了です。

今後良い出物があればまた乗り換えるかもしれませんが、それ以前にフェンダーはグレッチ純正パーツの供給をどうにかしてくれ!本当に困ってるんだから!

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