ナンバーガール音楽評

君は聴いたか、透明雑誌の衝動。

台湾と聞いて、唯一連想するロックバンドがある。それが透明雑誌だ。とうめいざっしではなく、とうめいマガジンと発音する。台湾語の表記としては透明誌だが、この記事では透明誌の表記で統一する。

まずこのルックスが最高だ。どこからどう見てもロックバンドだ。

バンド名とビリビリのフォントから分かる通りナンバーガールのフォロワーだ。pixiesやソニックユース、ウィーザーの影響も公言している。ダイナソーJrも間違いなく好きだろう。

2011年には来日公演を果たしているし、向井秀徳と共演もした。

CDは妻が台湾旅行に行った時に買ってきてくれたもので、CD屋の店員さんに「トーミンマガジンありますか?」と尋ねたら「トーミンサッシ」と返されたそうだ。多分日本語に寄せて発音してくれたのだろう。現地で買ってもらった台湾盤、ちょっとした宝物だ。

台湾人は学習意欲が高く、外国語の勉強も熱心だ。私もネットで台湾人とよく遊んでいた時は台湾語を勉強していたが、もうすっかり忘れてしまった。

透明雑誌FOREVER
EMI MUSIC JAPAN INC.
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透明雑誌Foreverはロック史に残る名曲だ。若々しいサウンドに洪申豪(ホン・シェンハオ)のシャウトが重なる。ちなみに私はこの曲をコピバンで演奏すべくギターとボーカルを練習していたが、コロナで流れてしまった。

We are forever young

We are forever young

透明雑誌FOREVER

これだけで十分に伝わる。そう、若い。ロック聴いてるやつなんか、まして演ってるやつなんて碧いに決まってる。ロックに触れる時、俺たちはいつだって若造だ。

台湾語の歌詞はリズムが良く、意味は分からずとも心地よく耳に入ってくる。

透明雑誌がリリースしたアルバムは僅か3枚。

  • 透明雑誌 4 TRACKS EP
  • 我們的靈魂樂 邦題:僕たちのソウルミュージック
  • 透明雑誌FOREVER EP

たったの3枚のうえ2枚がEPだ。だからこそ全曲聴く価値がある。

ちなみに僕たちのソウルミュージックと透明雑誌FOREVERは台湾でリイシュー盤が出たため、多少は入手しやすくなった。

初期の4曲は日本盤の僕たちのソウルミュージックに収録されているので、今から買うのなら日本盤のほうがオススメだ。ちなみに私の持っているCDは台湾盤なので未収録。バンドキャンプで聴くことはできるし、有料でダウンロードもできるため要チェックだ。

4 TRACKS EP, by 透明雜誌 / TOUMING MAGAZINE
4 track album

もう一曲、性的地獄を聴いてみよう。良いタイトルだ。卒業制作のようにチープなMVが印象的。洪君のメガネとブルーのムスタングが眩しい。

四つ打ちのシンプルなドラムに歪んだベースが乗り、狂ったギターが合流する。シンプルな構成だが、時折乱れるギターのサウンドがまさしく”性的衝動”だ。

走在攝氏三十六度的台北街頭

(摂氏36度の台北街道を歩いて)

性的地獄

台湾って暑い、いや熱いんだなあ!

そういえば今年は台湾産のパイナップルをたくさん食べた。黄金色の果肉と滴る果汁に、台湾屋台への想いを馳せた。

透明雑誌は長らく活動を休止していたが、何と2020年に再始動。まさしく連載再開、台日のファンを沸かせた。復活ライブのチケットは一瞬で売り切れたらしい。

復活記念として僕たちのソウルミュージックのアナログ盤を1000枚制作したが、何と予約段階で全て売り切れ。うち350枚は日本のファンが購入したそうだ。私はCDを持っているけれども、正直欲しかった。

このように透明雑誌は日台のインディーズシーンで異次元の存在感を示している。またいつか、日本に来てくれる日を楽しみにしている。

ところでメンバーが着ている透明雑誌Tシャツ、どこかで手に入らないだろうか。

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