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音楽評

ビッグオーという作品と、佐橋俊彦の音楽の世界

私が中学生の頃にハマったアニメ、それがTHE ビッグオーだ。

いわゆるロボットアニメなのだが、全体を通してオマージュが多く、作中の雰囲気が異様にダンディである事が特徴だ。

大富豪であり執事を従えるロジャーはブルースウェインに似ている。犯罪が蔓延るパラダイムシティはまるでゴッサムシティ。数々のスパイアイテムや、秘密兵器を搭載した愛車のグリフォンはボンドカーのようだ。

全体を通して、007やアニメ版バットマンの影響を受けていると公言している。

今回着目したいのはビッグオーの音楽だが、まずそのストーリーについて簡潔に話そうと思う。

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ストーリー

舞台は40年前の記憶を全て失った街、パラダイムシティ。そこでは記憶は宝石よりも価値を持つ。主人公ロジャー・スミスは凄腕のネゴシエーターで、記憶を失い混乱した街になくてはならない存在だ。

ビッグオー、ショータイム!

話し合いの通じない相手には、巨大ロボ「ビッグオー」で立ち向かうまでだ。

犯罪組織や街を牛耳る大企業とも渡り合う彼は、この世界を演出する存在とも交渉する事になる。この街の正体と、彼の運命とは。

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なかなかにぶっ飛んだ話

ロジャーは超敏腕ネゴシエーターという事になっては、いる。しかし彼は交渉が決裂すると、無敵の巨大ロボ「ビッグオー」に乗り込み、相手をブチのめすという展開に私は度肝を抜かれた。しかも結構な割合で交渉は失敗するし、交渉をしない事さえある。彼は殆どの問題を文字通りの鉄拳制裁で済ませてしまうのである。交渉決裂→鉄拳制裁→ハッピーエンド、その度に街はボロボロだ。

まず、ビッグオーのサイズのデカさ。ビッグオーが暴れ回ると、区画が一つ崩壊する。登場からして、ビッグオーは張り巡らされた地下鉄を経由し、地面をブチ破って出てくるのだから。だから街のヒーローとして歓迎されているという程ではなく、軍警察からしたら「またアイツか!」なんてちょっとした厄介者だ。

とりわけ、拳と共に巨大ピストンで圧縮した空気をブチ込む「サドン・インパクト」の迫力は圧巻だ。空振りしたサドン・インパクトはビルを貫通する破壊力で、当たれば必殺だ。

登場で地面をブチ破り、歩くだけで道路は陥没。サドン・インパクトはビルを貫通。

このように、ビッグオーはとてつもなく強い。パワーとサイズは規格外であり、敵無しだ。防御力も半端ではなく、ピーカブースタイルに構えた時はほぼ無敵だ。ビッグオーに搭乗してピンチに陥るイメージがあまり無い。

作中で記憶に残るピンチといえば、ロジャーが生身でドロシーを人質に取られた時だ。ドロシーは敵にコントロールされロジャーを鯖折りにしそうになったが、ドロシーのセフティ、あるいは感情が働き既の所で停止した。結局ドロシーのお陰で助かったというお話だ。

ドロシーはおかっぱで仏頂面、毒舌なガイノイド。しかし感情が無いわけではなく、嘘もつくし、嫉妬もする。都合よくデレたりはしない、そんな鋼のヒロインだ。メガデウスの起動キーでもあり、かなり重要なポジションである。

体重130kgを誇り戦闘力は高く、素手で壁をぶち破ったり自動車並みの速度で自転車を漕いだり、大活躍だ。唯一の懸念材料は敵に操られてしまう事だが、後に「ドライブを物理的に塞ぐ」というセキュリティ?が施された。

しかしそんなドロシーをロジャーは軽々と持ち上げるあたり、二人揃って生身でも強い。

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やりすぎたオマージュ

オープニングのBIG-O!を聴けば分かるが、完全にクイーンのフラッシュだ。これは永井ルイが制作側の「クイーンのフラッシュみたいなイメージで」という要望に応えたところ、殆ど同じものが出来上がってしまったという事らしい。要はクイーン大好きおじさん達がやりすぎてしまったのであろう。

そのせいでクイーンとの権利問題に発展してしまい、今はブライアンメイの著作になっている。その関係でDVDやブルーレイではOPが差し替えられている。未だにフルバージョンの音源は配信されておらず、少々めんどくさい事態になっているようだ。とはいえOSTやTV版は配信されているので救いが無いわけではない。

映像もほぼ「ウルトラセブン」そのまんまで、佐橋俊彦はファンを公言している。

差し替えられた曲は「Big-O! Show Must Go On」だが、これも曲名からしてQueenだ。しかし曲の中身はキンクスの「All Day And All Of The Night」そっくりで、パクリ曲を差し替えた結果がまたパクリで全く懲りていない。

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今のところフルバージョンを聴く手段はCDを買うしかないから、私の手元にはビッグオーのRESPECTがある。これ一枚あれば1st・2ndのOPとEDが全曲フルで聴ける。加えてApple MusicでOSTを聴けば、ビッグオーの音楽は網羅できる。

そしてエンディングの「and FOREVER…」も最高だ。どんな展開であっても、エンディングのこれが流れ始めると心が洗われる。ちなみに砂時計に腰掛けているのは、一話の段階ではロジャーだけだった。二話以降はドロシーが控えめにチョコンと座っていて、話の展開も相まってウルっときた。

戦闘BGMは、ビッグオーのイメージ通り非常に重厚で勇ましい。「STRONG」や「STAND A CHANCE」の勇猛さは作中屈指だ。こういった勇ましいクラシックと言えば佐橋俊彦の得意とする所で、これはもうアニメの劇中曲を逸脱している。「SURE PROMISE」は今でもバラエティやニュース番組で耳にする事がある程だし、ロボットアニメでそこまでレベルの高いクラシックを多数輩出するのは凄すぎる。

まとめ

ビッグオーのキャラクターやストーリーが素晴らしいのは言うまでもないが、楽曲のダンディズム・勇猛さ、そしてやりすぎたパロディから全く目が離せない。

幸い、dアニメストアにて全話配信されているから一気見をオススメする。昔は1stシーズンしか配信されていなかったから、良い時代になったものである。ロボットアニメに興味が無くとも、偏見を捨てて一度見てみて欲しい。あまりにもクールで大人な世界観にハマること間違い無しだ。

ちなみにカートゥーンネットワークで放送されていた頃、ロジャー・スミスがとあるゲームのキャラクターと似ている事が話題になった。職業も交渉人と弁護人でちょっと似ているが、全くの偶然であろう。

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