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ムスタングのチューニング狂い対策 トレモロユニットの固定

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石ロゴ期のムスタング。ピックガードは元々白だが赤く塗装されている。

私の手元には石ロゴ期のフェルナンデス製ムスタングがあります。ムスタングはジャズマスターやジャガーより後発で似通った部分が多いですが、入門機という位置づけです。左右非対称のボディとかフローティングブリッジはよく似ています。

特徴的なのは2つのフェイズスイッチで、このスイッチのプラスマイナスの組み合わせでそこそこ色んな音が出せます(実用性はさておき)。アウトフェイズ(それぞれのスイッチを逆向きに)にしたときのチープさは特筆もので、チャカチャカした変な音になります。私ならフロントのみONかインフェイズ(それぞれのスイッチを同じ向き)に設定します。

そのような機構を搭載しながらも、部品点数を抑えコストダウンの努力が見られます。小さくて可愛らしいボディと安めの値段設定で初心者に愛されるものと思われましたが、そこは流石のフェンダーギターです。使うと一発でチューニングが狂うダイナミックビブラートや独特のサスティンの短さなど、入門機としては扱いにくくむしろ上級者向けでした。

しかしジャズマスター譲りのオフセットウェストは非常に体と馴染みが良く、独特の荒れ気味のサウンドはジャズマスター同様にオルタナやサーフではそこそこ人気でした。けいおんではあずにゃんが使用したことでピックアップされましたが、彼女は小柄ながらツンツンしたところもあり、ムスタングのイメージにマッチしたプレイヤーだったと言えます。入門機ということを意識してか、可愛らしいパステルカラーが多くラインナップされていることも特徴です。Klaxonsのサイモンはソニックブルーと茶べっ甲のレフティを使っていて最高に格好良いです。

すぐ狂うチューニング

アームは指一本で動かせるほど軽い。

ムスタングのダイナミックビブラートユニットはごくシンプルな構造ながら軽い力で大きく音程を変化させることができます。指で触れただけでテールピースが動くほどで、音程の変化量とアームの軽さは随一です。せっかくの機能ですがアーミングしない人にとっては不要な機能でありチューニング狂いの根本要因ですので、今回はこの機能を完全に殺してしまおうと思います。

ブリッジにマスキングテープを巻く

まずは定番のブリッジ固定です。この手法はジャガーやジャズマスターでも同様で、ブリッジの足にマスキングテープを巻いていくだけです。多めに巻いてきつかったら少ずつ巻き数を減らして調整します。マスキングテープは薄く柔らかいので多少きつくても押し込めば入ります。

これだけでも結構な効果がありますので、テールピース固定は必要無いという人はここまでで十分です。

トレモロを固定する

次はムスタングだけの手順、トレモロの固定です。

ネジを外す

全ての弦をペグから外してから、プレート周りの5つのネジを外します。

それだけでパカっと外れます。ザグリは必要最小限で、ムスタングが非常にソリッドなギターであるということが分かります。ブリッジ穴にはアース線が伸びていて、それをプレートで踏みつけている状態です。ブリッジ全体でアースが取れていますね。

2本のポールとバネで引っ掛けているだけ。

こんな感じでバネがポールを引っ張っている状態です。蓋を開けてみると実に単純な構造で、低コストでトレモロユニットを搭載できる素晴らしいアイデアですね。

バネを外す

先にポール側を外します。緊張したバネを縮めながら持ち上げるとフッと外れます。その後プレートに引っかかっている側を外せばOK。

ポールを外す

ポールはテールピースにねじ込まれていますので、左向きにクルクル回すだけで外れます。今回は分解後ですので素手で回して外しましたが、テールピース上部の穴から六角レンチで回しても同じことです。

以上で分解手順は終了です。非常にシンプルな構造ですね。たったこれだけのパーツでトレモロユニットを実現したフェンダーはさすがです。

固定に必要なもの

  • M6ボルト x 2
  • M6ナット x 4

使用するのはボルトとナットだけです。総額200円。ボルトの全長は15mmのものがピッタリでした。高さ調整のためナットは4つ必要です。バラ売りに拘らないのであれば、ボルトが余りますがエーモンのものが丁度よいです。とはいえUSAとかMIJでサイズが違うと思いますので、不安でしたらホームセンターに外したポールを持っていって、ねじチェッカーにねじ込んでみると良いです。

こんな感じでプレートをボルトとナットで挟んでしまってガチガチに固定します。

締め込んだところです。

これで動かしたくても動かせないようになりました。テールピースの高さも丁度いいと思います。あとは元の位置にはめこんで終了です。

まとめ

アーミングを使わない人にとってはチューニング狂いの要因でしかないダイナミックビブラートを完全に固定してしまう方法をご紹介しました。

テールピースごと外すので多少の手間がかかりますが、ポールをボルトに替えてナットで締めるだけですので比較的簡単です。いつでも元に戻せますので、チューニング狂いに悩まされている方は試してみる価値があると思います。

めちゃくちゃ安いトレモロユニット一式を見つけましたんで、純正に手を加えたくない場合はこういうのを買うと良いかもしれません。しかし最近激安のギターパーツが多いですね。品質は悪いでしょうけど、改造前提なら重宝します。あまりに評価が低いのが気になりますが、キワモノ好きにはたまりません。

個人的にはムスタングにはポップなカラーが似合うと思います。元気の良いギターですから。しかし日本製ムスタングは10万円もするんですね。エントリーモデルの名は何処へ行ったのでしょう。

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