
前にも書いたことのある内容ですが、また同じような事が話題になったのでそのリイシューです。
「最近の若者がギターソロをスキップする」という事に明確なソースはありませんが、例えばYouTubeだとその投稿者は「どの部分が多く再生されているのか」可視化されたものを見ることができます。
それでギターソロの部分になると視聴率がガクッと落ちるらしいのです。これはとある投稿者が言っていた事ですのでそれなりに信憑性があります。
日本人はギターがお好き
これは不思議な事で、他の国ではあまり見られない傾向です。バンドもの、ポップス、歌謡曲、アニソン。何でもかんでもギターソロが入っていることにお気づきでしょうか。
特にバンドものでは顕著ですよね。
私は最近の曲にとても疎いですが、King Gnuの「一途」を聴いて安心しました。これこれ、このイントロリフ!これが日本のロックだよね!ギター”ソロ”はありませんでしたが、曲の後半でボーカルに被せているギターの音が実質的なギターソロとして機能していますし、これは日本人はギターが好きと言われるのも納得です。「白日」にはしっかりとしたギターソロが入っていますよね。
何で日本人はギターが好きなのか?諸説ありますが、日本では元々弦楽器は広く親しまれていましたよね。琴、三味線、胡弓など。
その中でも「リュート属」の三味線はギターそっくりなわけで、手に抱えて弾く弦楽器を楽しむ土壌は出来上がっていたと言えます。
手抜きのギターソロ
例えばアニソンに挿入される魂の無いギターソロ。あれが手抜きの筆頭です。
音楽として体を成すにはある程度の尺が必要ですよね。一般的なアニソンでしたら4分くらいは欲しいところです。
そこで手っ取り早く、低コストで尺を稼ぐ事ができるのがギターソロ。
とりあえず二番が終わった後、大サビまでの間を繋ぎたい。そこに適当に歪んだ音でピロピロとしたそれっぽいギターリフを入れる。
それこそが「アニソンとかポップス特有の魂の無いギターソロ」の正体です。
おそらくですけど、今話題になっている「飛ばされてしまうギターソロ」というのはそれの事でしょう。だってボヘミアン・ラプソディのギターソロを飛ばす人なんて居ないでしょうから。
そこで尺稼ぎの適当なギターソロが無意味だと気がついた人が居たんでしょうね。そうして結果的に尺が短くなったというのが今の音楽業界に起きている事じゃないでしょうか。
ビルボードにギター不在
試しに私、アメリカのビルボードチャートを上から10曲聴いてみましたが、ギターソロは一切ありませんでした。ちなみに一位はハリー・スタイルズ。
というかイントロリフにもギターの音なんてありませんし、何なら歪み系のギターが皆無です。少々のアコースティックギターならありましたが・・・。
あとは尺も短くて、2分台のものがチラホラ。4分に到達するものはありませんでした。
ていうか全体的にMVのカロリーが高くて胸焼けがしました。パイオツ出したムチムチな人が踊ってるとか・・・うへぇ。
娯楽のインスタント化
ギターソロのスキップ、何がそうさせるのか?私はその原因は「娯楽のインスタント化」であると分析します。要は今の時代、低コストで手に入る娯楽が多すぎるのです。そうすると何が起きるのか?一つあたりに割く時間が減るのです。
考えてもみてください。
tiktokで15秒の動画を見る。
YouTubeで有名配信者の切り抜きを見る。
ツイッターで140文字以下でつぶやく。
これら全て娯楽のインスタント化によって起きている事です。良いとか悪いとかいう話ではありませんが、個人的な話で言うと好きではありません。物事の表層だけなぞって満足できるタイプではないからです。
素人が踊ってる動画なんて金もらっても見たくありません。インフルエンサーの言う事に心酔するほどバカじゃありません。私の言いたい事は140字には収まりません。
だから私はわざわざ落ち目のブログで長文を書いています。
まとめ
「ギターソロをスキップする若者」の存在が確認されたわけではありませんが、間違いなくその傾向はあります。流行曲からギターソロが消え始めているという事がその証左です。しかしそれはバンドものでなくポップスの話。まさかブライアンメイのギターソロをスキップする人なんて居ないでしょう。
しょうもない曲にしょうもないギターソロが入っていて、しょうもないから皆がスキップしていたら、しょうもないギターソロそのものが消えていった、というのが実情でしょう。
そもそもそんな曲を聴かずに、寧ろ重厚なギターソロが入っている曲を聴くという選択肢も持てるはずであると考えます。
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