気づけば増えている、ギター用のケミカル。私はジャンクギターを修理する都合上色々使っておりますが、普通にギターを維持する上ではほとんど不要です。指板にレモンオイル、摺動部にグリスを塗れば十分でしょう。
そして今回、お店でついつい手が伸びたのがFAST-FRETでした。私はコーティング弦の滑りに慣れてしまったので、ノンコーティング弦でも更なる滑りが欲しくなったのです。
指板潤滑剤といえば、Finger-easeとFAST-FRETの二択です。
フィンガーイーズといえば、向井秀徳がライブ前に大量に噴き付けていたのが印象的でした。ローディーが既に十分な量をスプレーしていたのにも関わらず、向井秀徳はそれを上回る量をブシュー!!!!っとぶっかけていたのです。
フィンガーイーズはスプレー式ですが、ファストフレットは弦に直接塗る方式です。硬めのフェルトに液が染みていますので、取り出して塗るだけ。あとは付属のクロスで拭き上げればOK。しかしこのクロスが曲者で、やたらと毛羽立って繊維が弦に付着します。一度洗濯するか、別のクロスを使ったほうが良いでしょうね。私は拭き上げない派です。
これ、底がローレットになっていますが捻ってもなにも起きません。ファストフレットは開けて塗る、ただそれだけです。
私の買ったロットは缶入りでしたが、コストダウンが進んで現在は紙製の筒入りです。楽器屋さんで缶入りを見つけたらラッキーです、買いましょう。しかしこの缶のフチが鋭くて手を切りそうになります。
私はこれをノンコーティング弦の滑りの悪さを改善するために使いましたが、実はこれコーティング弦の方が相性が良く、ギュンギュン滑ります。自分がとんでもないスピードプレイをしているかのような錯覚に陥りますよ。
滑りの順位は下記の通り。
- コーティング弦&FAST-FRET
- コーティング弦
- ノンコーティング弦&FAST-FRET
- ノンコーティング弦
2と3は僅差なので、コーティング弦の音は好きじゃないけど滑りが欲しい人には向いているかと。
これを塗った直後は一時的に汚れが落ちて、音が若干明るくなります。毎日塗布していたら気付かないとは思いますが、汚れている状態からなら変化が分かると思います。また既に錆びている状態でもある程度音が復活しますので、一時凌ぎに重宝します。
これを使うのなら、弦を張り替えた直後がおすすめです。弦の天敵であるサビを予防し、寿命を伸ばすことができます。
滑り、錆止め、指板潤滑。
指板に直接触れない事がメリットではありますが、指板に付いたとしても特に問題はありません。むしろうっすらと油分が残るので指板に良いのではないかと考えています。
あとこれ、使っても使っても減る気配がありません。フェルトが乾き切ったらそこで寿命だと思いますが、いつになる事やら。弾く前後に軽く塗ってやるくらいでちょうど良いかと。
というわけでFAST-FRET、おすすめです。
楽屋でスッと塗れば、対バンをビビらせる事ができるでしょう。
コメント
底のローレットを外すと、付属のクロスが収納できるようになっています。
お試しあれ
https://akogimania.com/maintenance/maintenance-item/ghs-fast-fret
確かに底を捻ると開きますね。今ではマイナーチェンジして、その機構自体無くなってしまったようですね。