4年前、私はエフェクターの自作を思い立ちました。選んだのはSuper Hard Onのクローン、部品点数は少ないし回路図はいくらでも落ちているし、これは絶対簡単だろうと思って挑戦したのですね。
エフェクターを安く作れて、ブログの記事にもなるし一石二鳥!そんな感じで始めましたが・・・結果は大失敗。スイッチの脚は溶かすし、出来上がったものは発振するだけで音が出ず。しかし転んでもただでは起きられません。当時の写真が出てきましたので、失敗する過程を紹介します。
開封レビュー()
これは確か秋月電子通商で買いました。ロクに作業風景を撮っていない割に開封写真なんか撮っているあたり、もう成功する前提で始めるウキウキ感が漏れ出しています。失敗するとも知らず・・・。確か総額は3000円くらいだったと思います。ケース、スイッチ、ジャックだけで2000円くらいにはなるんですよね。
たまたま手元にあったダンエレクトロのファブトーンと並べて記念撮影。このケースはいわゆるMXRサイズ、一般的なコンパクトエフェクターと同じサイズ。ダンエレが大きいだけです。
基板カット
この時はユニバーサル基板で製作しようとしていたんですよね。今思えばユニバーサル基板は避けて、最初からプリント基板を使えば良かったです。
とりあえずパターンを書き写し、ケースに乗っけてサイズ確認。この時はギリギリのサイズで作ろうとしていたのですが、大きめに余裕を取っていたほうが作業が楽です。無理に小さくするべきではないという教訓ですね。
サイズが決まったので基板カット。基板は固いので、金属製の物差しを当てがってカッターナイフで何度かなぞって切れ目を入れます。
そこからニッパーの刃を入れると、切れ目に沿ってパキッと割れます。
綺麗にカットできました。上手く行っていたのはこの時まで、これ以降は全て失敗したと言っても過言ではありません。
はんだ付け
これはパーツをとりあえず通してみたところですが、ここで写真は終わっています。私はこのあと失敗を繰り返し、とうとう完成させることが出来なかったのです。その失敗を口頭で説明致します。
まず基板の実装についてですが、ユニバーサル基板ですので必然的にポイントトゥポイント配線になります。要はパーツとパーツの脚をはんだ付けしたり、それで足りない部分はすずメッキ線やはんだブリッジを利用して点を結んで行くのですね。言うだけなら簡単ですが、パーツの脚同士を結んだり狙った箇所をはんだブリッジで繋ぐのは案外難しいのです。
しかも私が安物のはんだごてを使っていたことや、糸はんだが太すぎたことから狙った位置をブリッジさせることができず。終始グダグダで、絶対音出ないだろって感じの仕上がりになってしまったのですね。
それで何とか基板の配線は終わらせましたが、フットスイッチの配線でやらかしました。耐熱性を考慮せずにフットスイッチの脚を長時間加熱したら、金属端子を固定している赤い樹脂が溶けてしまったのです。ここが溶けるとスイッチのクリックが失われて使い物にならなくなります。
もちろん私の腕が未熟だったのですが、溶けやすい製品というのも存在します。例えばALPHA製3PDTフットスイッチのレビューは溶けやすいとの評価がチラホラ。
はんだを不必要に多く盛るとそれだけ長時間加熱することになりますし、やり直す時もより多くの熱量が必要になってしまいます。ですからきちんとフラックスを塗って、はんだは出来るだけ薄く仕上げるというのが基本ですね。私は失敗から学びを得ました。
結局スイッチは完全に壊れて、買い直すのも面倒でしたのでスイッチ無しの直結仕様として作り替えたのでした。
完成するも、音が出ない
それでなんとか完成、形にはなりました。そして試験運転、ギターとアンプを繋いで音出し確認をしてみたのですが・・・発振してしまいました。
ギターからの音は出力されず、エフェクター本体から「プツップツッ」といった発振音が鳴るだけ。これ、完全に失敗してます。パーツが悪いのか、配線が間違っているのか、はんだ付けが悪いのか。問題箇所が多すぎて原因の切り分けができず、結局私は諦めてしまいました。
失敗から数年後、エフェクターキットを製作。
自作に失敗し心が折れてしまった私が再度エフェクターを製作するには3年を要しました。トラウマを克服するため、タッキーパーツのキットを購入したのです。
タッキーパーツというお店自体の評判は色々ありまして、少々アバウトなお店ではあると思います。パーツの過不足とか説明書の間違いとかね。
それはさておき、タッキーパーツのエフェクターはどこかから拾ってきた回路図を流用したいわゆるコピー品とかクローンの類です。そこに賛否があるとは思いますが、商品自体はちゃんとしています。何だかんだで、説明書の不備とかを問い合わせたら回答してくれますしね。良いお店だと思いますよ。
挫折からの復活
ということで一旦は挫折を味わいましたが、タッキーパーツのエフェクターキットのおかげで自信を取り戻すことが出来たのでした。ユニバーサル基板は面倒なので専らプリント基板です。タッキーパーツ製エフェクターの製作過程は以下をご覧くださいませ。
この経験から得た教訓は、
- ユニバーサル基板でポイントトゥポイント配線をするのは難しい
- 基盤用の細い糸はんだとフラックスが必要
- 3PDTスイッチの脚が溶けたら終わり
といった事です。何にしてもそうですが、一発勝負を避けて事前にはんだ付けの練習をした方が良いですね。私はこの経験が糧となり、少なくともプリント基板での実装とスイッチ周りのトゥルーバイパス配線なら出来るようになりました。
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