DIYギター

ビンテージグレッチのボディ穴を埋める

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またまたグレッチのリペア記事です。通販で買ったGretsch 6186 Clipperの状態が思ったよりも悪かったというのは、前回の記事で申し上げた通りです。

購入したのはイシバシ楽器です。ビンテージギターのボディにネジが打ち込まれていて、それを明記せずに販売するのはあんまり良くないと思いますよ、イシバシ楽器さん。機能に問題が無いとしてもね。

前回の記事でクリッパー君のペグを交換すべく、弦を外していたんですけどね。ある事に気づいたわけです。ちなみに使用しているのはMUSIC NOMADのストリングワインダー。高いですけど最高のワインダーです。

グレッチをはじめとしたアーチトップギターのブリッジ周りは通常、ボディに固定されていませんから、弦を緩めただけでポロッと外れるはずなのです。しかしこいつはどうも、外れる気配がありません。嫌な予感が・・・。

ブリッジと木台を分離してみると、衝撃的な事実が。

ギャーーー!!

何とこれ、木台がビスで固定されています。フルアコのボディにビスが打たれているというのは致命傷です。だってこの下は空洞ですよ?ブレーシングが通っているにしても、そんな強度はありません。

まあピックガードもネジ留めされているわけですし、ポットやジャックの穴だって空いています。近年のモデルでは同じ場所にピンが打ち込まれているわけですから、サウンド的に大差は無いかもしれません。しかし、フルアコのボディにビスを打ち込んでしまうという無神経さはどうにも許しがたいです。それを黙って販売してしまう事もね。これ、検品で気づかなかったんでしょうか。それとも敢えて隠して販売したんですか?ああ、イシバシ楽器のイメージがどんどん悪くなっていく・・・。

とりあえずネジは摘出しましたが、それでもまだブリッジ(木台)は外れなかったので、フロスをギコギコと滑り込ませて分離します。人間やってできない事はありません、知恵を絞れば必ず達成できます。

どうやら、両面テープで接着されていたようです。接着剤が使われていなかっただけまだマシといったところでしょうか。塗装が持っていかれないように、慎重に除去しました。

というわけで、ようやく完全に外れました。しかし、せっかくのアルミブリッジに穴をあけてしまうのはもったいないと思います。買うと結構高いんですよ。そもそもあまり見かけないですし。

こんな穴は無用ですのでさっさと埋めてしまいましょう。いつも通りつまようじとタイトボンドを使いますが、目立つ場所ですのでちょっとやり方を変えてみます。

つまようじを差し込んだ状態でシャーペンで印をつけ、穴の深さに合わせた埋め木を作る事にしました。塗装面でしかもボディ表面ですから、できるだけ触らずに済ませるための措置ですね。本来、塗装面の穴埋めというのはもっと面倒な作業です。再塗装と研磨がセットですからね。ビンテージグレッチに対して素人がそこまでやるべきではありませんので、最小限の作業で完了としています。

もちろん、差し込んだ埋木を後からカットするという手法でも問題ないでしょう。その場合は本体を傷つけないようにマスキングして、アサリなしののこぎりや平曲刀のノミを使うなどして下さい。

というわけで、遠目には分からなくなりました。どうせブリッジに敷かれて見えない場所ですので、「前よりマシ」になった程度で止めておくのが賢明です。これ以上の仕上がりを求めるのであれば、やはり業者に依頼するべきでしょう。下手に手を出して塗装面を傷める方が怖いですからね。DIYにおいては、悪化を避ける事が最優先です。

あるいは、ラッカー用のタッチアップ用品で薄く塗ればもう少しマシになるかもしれません。木部を保護する意味もあります。ラッカータッチの商品説明を確認すると、主成分はニトロセルロースでした。ビンテージギターに使用しても問題無いと思われますので、これで十分でしょう。

ギター向けの専用品もありますが、たかだかラッカー塗料の小瓶に何千円も払うのは無駄だと思います。主成分がニトロセルロースならば大差は無いでしょう。

ブリッジを載せて元通り。ビンテージグレッチの穴埋めでした。ギターの修理というのは穴埋めの繰り返しですね。

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