音楽評

俺たちはBUMPを周回する。

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BUMP OF CHICKENを聴いたことのない人など居ないだろう。私がBUMPを聴き始めたのは中学生の頃で、その時既に天体観測が爆発的にヒットしていた。

当時のインターネットでFLASHムービーとシナジーを起こし、BUMPはオタク界隈にも広まっていった。そうしてクラス中がBUMP好きを公言するようになった頃、私のBUMP熱は冷めた。3枚目を聴いたあたり、高校生になる頃には完全に飽きてしまったのである。アルバムのリリースが鈍化していた時期とも重なる。

そして時は経ち、前作ユグドラシルから3年と4ヶ月後。5枚目のアルバム、orbital periodが発売される頃には私は大学生になっていた。

orbital periodの発売直後、実のところそんなに興味はなかった。しかし先輩がBUMPのコピバンで、才悩人応援歌を演ったことがきっかけで聴き始めた。そしてぶっ飛んだ。

orbital periodは間違いなく最高傑作だ。

BUMPといえば初期の3枚が好きという人も多いだろう。私もその口だった。

しかしorbital periodがそれを塗り替えた。

5枚目が最高傑作だなんて、そんなバンド他にあるか。BUMPはこれまで積み重ねたものの遥か上空を飛んでいった。リリースまで時間を要したのも納得だ。

BUMPといえば、藤原基央の歌詞偏重であることが特徴で、それ故に馬鹿にされる事も多い。中高生の代弁者と言われているのを見た事もあるが・・・そうではない。

藤原基央は、中高生最大の理解者だ。

既に成功を収めている藤原基央だが、才無き者の苦悩や若者の生き方に寄り添い、歌い続ける。そこに嘘くささが無いのは、一貫性があるからだ。そしてラブソングが殆ど無い事も説得力を増している。ラブソングのようなものがあったとしても、それは友情や生命に対する讃歌に近い。

BUMPにはアンチも多い。それは歌詞がダイレクトなストーリーで、あまりに若々しいからだろう。

しかし一旦そういったバイアスを取っ払って、orbital periodを聴いてみて欲しい。いきなり5枚目を推薦してしまって恐縮だが、本気で素晴らしいのだ。

中学生の頃に聴いて、高校生で飽きて、大学生でまた戻ってくる。そして社会人になってから聴く。BUMPとはそういうバンドなのかもしれない。

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