「はんだ付けが上手くいかない」
これは作業者の技術が低いわけではなく、道具が悪い場合がある。
主な要因ははんだの熱不足と、フラックス(ヤニ)の不足である。
これらの要素が揃うと、母材の上をはんだがツルツル滑って、全く濡れない。
はんだは常温では固体であり、高温では液体だ。
液体の時に、しっかりと母材を濡らすことが大事なのである。
そのためには、適切な温度管理と酸化被膜の除去が不可欠だ。
フラックスの効能は酸化被膜を除去して、はんだの表面張力を低下させること。
また、仕上がり後の酸化防止にもなる。
一応、はんだ自体にも少量のフラックスが含まれており、プリント基板の場合はこれだけで十分である。
しかしエレキギターのポット背面やスプリングハンガーには、強力な酸化被膜が形成されている。
そのうえ面積が広く、熱がどんどん逃げていくから、はんだが乗りづらいのである。
一応、ヤスリなどで表面を軽く磨くという方法もあるが、個人的にはフラックスを塗るほうが楽だ。
エレキギターにおいて「はんだ付けが上手くいかない」理由は、概ねそんなところだろう。
私はこれまで、ホーザンの液体フラックスを愛用していた。
これはマニキュア型で、蓋にはハケがついていて使いやすい。
が、少々の問題点が。
倒れてこぼれやすいのだ。
フラックスがこぼれると非常に厄介で、辺り一帯がベタベタになる。
しかも、専用のクリーナーでないと中々落ちないのである。
更にフラックスが固まると、蓋が開かない。
そんな問題を解消したのが、こんなペン型のフラックス。
サラサラしており、ほんの一滴置くくらいのイメージだ。
ピンポイントで塗れるうえ、こぼれない。
しかもご丁寧に、替えのペン先まで付いている。これは嬉しい!
残念ながらマニキュア型から内容量が30ml→15mlへ半減しているが、こぼすよりはマシだ。
大量に使う人には物足りないかもしれないが、ホームユースなら十分だろう。
そして、何とクリーナーまでペン型である。恐れ入った!
はんだごては、gootの温調はんだごて。
これはセラミックヒーターで加熱が早く、温度が低下しづらい。
大きなものに対してはんだ付けをする場合は、それなりの出力が必要になる。
というわけで、エレキギターにおけるはんだ付けのちょっとしたTips。
道具も大事というお話でした。
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