私の手元にあるラッカー塗装の機材はジャズベース。色んなスタンドに立てておいたのですが、まあ結構な割合で溶けました。
そこで溶けたものと溶けなかったものがありましたのでご紹介いたします。
よくあるギタースタンド
接触箇所がウレタンスポンジのやつですね。これは試すまでもなく、数日置いておくと100%溶けます。ネック裏に黒い跡がついたギターを見た事はあるでしょうか。それが溶けた跡です。
これはもう置く人が悪いので、不注意で溶かしてしまったら諦めましょう。
このタイプをラッカー塗装のギターに使いたいのであればギターブラで保護する必要があります。ただしギターブラは滑りやすいので、ボディエンドが斜めになったギターだと少々バランスが悪いです。
onstagestands
ネックの接触部が溶けました。ラッカー対応を謳ってはいるのですが完璧ではなかったようです。
ロック機構が独特で使いやすく良い品ではあるのでウレタン塗装のギターにはおすすめです。
ハーキュレス
真打のハーキュレス。大丈夫でした。ラッカー対応とは書いていないのにも関わらず。
ギターにあたる部分に保護のために使用されているSFF(スペシャルフォーミュレイテッドフォーム)ゴムは所謂ラッカー塗装には対応していません。
https://moridaira.jp/posts/hercules-gs414b-plus
*参考までにですが、当社でも色々実際に試しましたが問題はありませんでした。しかしヴィンテージを含め全ての物で実証ができないので対応を保証できません。
かつてはモリダイラ楽器公式にこのような記載がありました。
私も全く同じような印象で、公式に対応を謳ってはいないけれどまあ今のところは問題無いし大丈夫かな?という感じです。
くっつき包帯
ダイソーに売られていた粘着力のある包帯。溶けました。どうやら包帯に塗布されている糊が悪さをしたようです。包帯を巻いて保護するというのは常套手段ですが、くっつき包帯ではダメみたいです。
くっつかない包帯を使いましょう。
K&M 折りたたみ
グリップ力を重視したシリコンゴムですが、このいかにもゴムゴムした感じはいつか溶けると思います。数日では問題なかったですがあまり長期間置くのは怖かったので試していません。そもそもちょい置きに使うものだと思うので、あんまり高級な機材を長期的に置く目的では作られていないと思います。
あとはジャズマスターやジャズベースのようにボディエンドが斜めのギターには向かず、ストラトやレスポールは安定して置けます。
安物のちょい置きには非常におすすめ。省スペースである上にコンパクトに折りたたむことが可能。
溶けた結果
こちらが溶けた結果。on stage standsはロック部との接触箇所が丸く溶け、くっつき包帯と触れていた箇所はザラザラとした質感に溶けてしまいました。まあもともとハードレリックなんでそんなには気にしないです。皆さんも些細な打痕をいちいち気にしたくないのでしたらハードレリックを買いましょう。
まあコンパウンドでめちゃくちゃ磨いたら落ちる可能性はありますし、ラッカー塗装はレタッチが可能ですので一旦落として再度クリアを吹くといったことができます。どうしても気になるようでしたらリペア業者に頼みましょう。
というかネックのラッカー塗装って弾き込むと剥がれていくので、そこまで神経質になる必要もないとは思いますが・・・。
まとめ
そのまま使って大丈夫そうなのは今のところハーキュレスのみですが、何にせよ布で保護したほうが無難ですね。しかし布であれば絶対的に大丈夫というわけでも無いんですよね。たとえばメガネ拭きには汚れ落としや曇り止めの成分が含まれている場合がありますし。
極端な例を挙げると、ラッカー塗装のグレッチは純正ハードケースに入れておくと溶けてしまうという事例が報告されています。ギターを保護するためのフカフカした内装がラッカー塗装を溶かしてしまうそうです。
あとは梅雨になると溶けるとか、夏の暑い日は溶けるとか。直接触れなくても溶けてしまうわけです。
ラッカー塗装とはそういうものなので、ある程度は諦めが必要な領域です。布で保護したうえで、それでもダメなら経年劣化を楽しみましょうとしか言えません。白いラッカー塗装のギターは溶けたら目立つので特別注意しましょうね。
地震の被害に遭った結果もレポートしておりますので宜しければご覧ください。
コメント