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ギター映画音楽

ボヘミアン・ラプソディの感想と解説

皆さんもうボヘミアンラプソディは観ましたでしょうか。

この間の金曜ロードショーでやっていたぐらいですから、未視聴のファンもそろそろ少ないとは思います。

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これはヒューマンドラマ

制作が発表された段階で、私はクイーンのドキュメンタリーだと思い込んでいたんですよね。でも実際にははスティーヴン・スピルバーグ映画のようなヒューマンドラマでした。

Queenとフレディ・マーキュリーの物語をドラマ化したものでありまして、ドキュメンタリーとは全く異なる性質です。

エンタメとして見るとよくできた映画なんですけど、80年代から熱心なファンだった人には物足りなかったんじゃないでしょうかね。

私的にはもっとコアな裏話的なものを期待していました。あの曲はこうして生まれた!とかね。

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ちょっとテンポ良すぎ?

当然尺の都合もあるでしょうが、成功を掴むまでのテンポが良すぎた印象です。フレディの加入、レコード会社との契約、ツアーの成功とトントン拍子の出世です。もう少しデビューまでの苦労や葛藤の描写が欲しかったんですけどね。

調べてみると上映時間は134分。

平均的な尺に納めるには仕方のなかった事かもしれませんが・・・。

内容はファンであれば知っているような事柄が多く、本邦初公開みたいなエピソードは控えめです。もっとレコーディングとか演奏の事が知りたかったんですけどね・・・。

ただ既存ファン向けというよりはこれからのQueenファンへ向けた映画にも思えますので、これはこれで良かったとも思います。

実際韓国では公開後、爆発的にクイーンファンが増えました。今更?

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メインは人間模様

音楽的な話が控えめとなると、その比重はヒューマンドラマに寄ります。もちろんメインはフレディを取り巻く人間模様。

その内容が良くも悪くもめっちゃ分かりやすい。

フレディの葛藤と堕落、復活といった展開があまりにもスムーズなんですよね。フレディのセンセーショナルな問題を描ききるのは難しいとは思うのですが、もう少し物語に複雑さがあったほうが良いですね。

ただし「分かりやすさ」というのは美点でもあって、例えばクイーンを全く知らない人が観た場合。すんなりと受け入れてストーリーを理解し、クイーンの素晴らしさというのが飲み込めるでしょう。ですから「クイーンなんて知らない」「名前くらいは聞いたことがある」ぐらいの人にはたいへんオススメです。

きっとこの映画を見てからクイーンファンになれると思いますし、私の周りにもそういう人が数名居ました。

見どころはジム・ハットン

良書、「フレディ・マーキュリーと私」。フレディ最後の恋人であるジム・ハットンの手記をまとめたもの。 言うまでも無くこの映画には何人かのゲイが登場するのですがジムハットンはフレディ最期のパートナー、フレディを看取ったのも彼です。

作中には「悪いゲイ」であるマネージャーのポールと、「良いゲイ」であるジムの分かりやすい二重構造があります。

フレディを堕落に誘い独り占めにしようとするポールに対し、再起を支えたのはジム。もちろん事実とは異なるでしょうけど・・・。

ジムハットンは途中フェードアウトして終盤に再登場するのですが、視聴者の誰もが安心した事でしょう。ハードな人間模様が描かれる中、ジムは非常に温厚で落ち着いたタイプの人間でした。

エキセントリックなフレディはジムの人柄に癒やされていたのではないかと、少なくとも映画を観た限りではそう思えました。

ポール・プレンターのクソさはガチだった

ちなみにポールはマジで嫌な奴だったと東郷かおる子さんが仰っていました。フレディのマネジメントをポールが担当するようになってからは、本当に連絡が取れなくなったんですって。

東郷:ポール・プレンターは、はっきり言って嫌な奴だったんですよ、悪いけど。

東郷:いやぁ〜本当にまいっちゃったんですよ。例えば、ライブ・エイドに出ようというのに電話を取り継がないとか、メアリーの電話を取り継がないとか──、だからきっと私の電話もああやって取り継がなかったんだろう!!って。

https://www.musiclifeclub.com/news/20190116_01.html

ですのでポール・プレンターのクソさについては映画で観た通りのものだと思って良さそうです。フレディのプライベートを暴露したのは事実ですしね。

「創作」ではフレディの「現実」を超えられないだろう

そもそもフレディの人生が常軌を逸して波瀾万丈なんですよね。映画以上に映画的と言いますか、やはり映画では彼の人生は超えられないんでしょう。

両親はペルシャ系のインド人で、追われるようにしてイギリスへ移住。フレディは「パキ(パキスタン)野郎」呼ばわりされるティーン時代を過ごします。女性のパートナーがありながら、ゲイである自分を自覚する苦悩。バンドとして成功し、最期はエイズによる肺炎で死亡。書きながら涙が出るほどです。

多重のマイノリティを抱え、ゲイへの風当たりも今よりずっと厳しかったはずです。

彼の苦悩と成功へのドラマは、120分で収めるには無理があります。そう考えると2時間とちょっとの尺に何とか収めた所は評価できますね。

これは無茶だとは思いますけど、三部作ぐらいにしたらもっと面白かったんじゃないでしょうか。

ライヴエイドを撮り直す価値

今や伝説となったライヴエイド。それをビッグなスケールで描いたのは良かったと思います。実際の映像は古いということもあり少々退屈なのですよ。カメラワークが悪く、ほとんどフレディしか映りません。

それを再構築し、彼らが見た光景を映像化したというのは充分な価値があります。しかも再現度が高く、ピアノに大量のペプシが乗っかっているとか、ローディらしき人物が柵の上に乗っかって観ているとか、エーオの様子とか。どこからどう観てもライヴエイドです。フレディの起こす波紋は圧巻。

ライヴエイドのシーンは映画の宣伝文句にもありましたしね。まるでその場に居るかのようでした。私なんか、途中で拍手しそうになりましたもんね。

残ったのは喪失感

エンドロールが始まる時私は物足りなさを抱いていましたが、それ以上に大きかったのは喪失感です。「フレディはもう居ない」という事実を痛感させられたからでしょう。

映画としての出来は惜しいところがあるのですが、フレディ不在であるという寂しさが深い爪痕として残ったのです。

再考、やっぱり面白かったかも

そう考えると、結構後を引く面白さがあったような気はします。私は観たその日から映画のサントラを聴いては涙しているのでした。

そのくらいの印象は残しているわけですから映画としては成功、「面白かった」と言わざるを得ないでしょうね。

ストーリーの大雑把さは各所で触れられている通りですが、音楽ものの映画としての面白さは十分にあるといったところでしょうね。特に映画館の音響で聞くことに価値があると思いますので、あまり期待せずに観に行くのが良いかと思います。

万人向けのエンタメ映画として評価するのであれば良作です。

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がんばれジャズマスター

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