とある事情により、フィルタートロンのピックアップカバーを外す必要が出てきました。
興味本位でピックアップを外してから元に戻す時、取り付けネジを締めすぎてしまったのです。
結果ピックアップカバーは歪み、ネジが効いている部分は潰れて真ん中のシールド部分が起き上がり隙間ができてしまいました。あとは少々横に膨らんでいます。
こんなひしゃげたピックアップではみっともないので何とか自力で治そうと思います。
グレッチのパーツは高く、そもそもUSパテントの刻印がなされたフィルタートロンの新品なんて売っていないので治すほかありません。
ピックアップの取り外し自体は何てことはなく、左右のネジを外すだけ。エスカッションやピックガードは付いたままで問題なし。
ヴィンテージスペックのグレッチは、大抵ピックアップが木部に直付けされています。つまりピックアップの高さが調整が面倒です。
上げるのであれば詰め物をすればいいんですけど、下げたい場合は木部を削るしかないんですよね・・・。
では本題、ピックアップカバーの外し方。こいつの場合はそこそこ多めにハンダが盛られていて、ハンダゴテで再加熱して外すのは難しいです。
この量を全て溶かして除去するにはかなりの時間熱する必要があり、そうこうしている間にピックアップにダメージを与えてしまいます。
中には樹脂製の部品が入っていますし、磁石のポールピースは熱に弱いですから。
ではどうするのかと言いますと、ルーターで削り飛ばします。DREMELのルーターはハイパワーなのでハンダぐらいなら余裕です。何ならこのピックアップ丸ごと切断できると思います。
まず最初に切断砥石で大雑把に削り飛ばしました。ほんの数秒で終わります。このぐらい削っておけば後の作業が楽です。
丸のこに替え、ピックアップ本体とカバーの隙間に残ったハンダを切断。この丸のこがメチャクチャ優秀。厚さは0.1mm、触れるとしなるくらい薄いので簡単に隙間に入っていきます。
ダイソーの丸のこは厚さ0.5mmなので少々厳しいかと思います。
ハンダの切断後、本体部分を軽く押すとパキッと外れました。失敗するとピックアップが死にかねないので緊張しました・・・。
窪んでしまった箇所は内側から当て木をしてハンマーで打ちます。これ以上歪むのを防ぐため、最初よりマシになった程度で留めておきます。
肝心のH字部分。ここは根本から手曲げします。ピックアップ本体との隙間を無くしたいので、やや内向きの角度に調節しました。
ピックアップ本体に被せ、やや少なめのハンダで本体とカバーを接着。汚い。ケーブルは突起に挟んでおきます。

元通りにネジを締めて終了。ある程度歪みが治り、シールド部分がピックアップ本体と密着してます。無事治って良かった。
ピックアップカバーを外す必要のある方は是非ルーターの導入をご検討ください。
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