エフェクター製作で最も面倒な工程は穴あけです。
何が面倒臭いかというと、位置決めと穴の拡張です。取り返しのつかない作業ですから神経を使いますしね。
だから私は一番最初に着手しますし、工程を数日に分けて作業したりします。ここさえ乗り切れば楽しい配線作業が待っていますので、焦らずに作業していきましょう。
採寸と位置決め
エフェクターのアルミケースは、HAMMOND (ハモンド)の1590Bサイズが一般的です。
寸法は110mm x 60mm x 30mmですが、実は側面から見ると台形であり上底は下底よりも1mm程短くなっています。採寸時はその誤差も考慮する必要があるので、想像よりも難しいです。
キーとなるのは、15mm。大体15mm刻みで穴位置を決めると上手く行くので覚えておいたほうが良いです。
私の場合、とりあえずセンターラインを引きます。そこから線を伸ばしていくとスムーズですね。そして実際にパーツを置いてみて仕上がりをイメージします。この時点で干渉が無いようにしましょう。
ポットは上から15mm、中心から15mmにすると具合が良いですね。3ノブの場合センターは上から40mmです。3pdtフットスイッチは電池のスペースを考慮し、下から35mm。各ジャックは面の中心に置きますので、底から15mmの位置に来ます。もう少し低めに置く人も居るかと思いますが、好みの問題です。
ポンチ打ち
位置が決まったらポンチを打ちます。これを打っておかないと、ドリルの刃が滑ってうまく穴が開けられません。道具はセンターポンチとハンマーを使うと安上がりですが、便利なのはオートポンチ。どうしても道具が用意できない場合は、カッターナイフで十字にキズを入れるのもアリですがおすすめしません。
私は最初センターポンチとハンマーを使っていましたが、効率化のためKTCのオートポンチを購入しました。赤い樹脂の質感が良くて握りやすいですし、とても正確に打てますので買ってよかったです。やはり道具が良いと作業効率が上がり仕上がりも良くなりますので、ケチってはいけませんね。
穴あけ
続いて穴あけです。先ほどのポンチ目掛けてドリルで穴を開けます。金属に対して最初から大きい穴を開けることは難しいので、小さな穴を開けてそこから拡張するという流れになります。
私の場合とりあえず3mmのドリルで穴あけします。
アルミは柔らかい金属ですので、3mm程度の穴でしたら一瞬です。手回しでも開けられると思うので、ピンバイスでも十分かと。
拡張
ここからが特に神経を使います。ステップドリルやリーマーを使って拡張していくわけですが、開け過ぎた穴というのは取り返しが付きません。
私はステップドリルで大方拡張したあと、テーパーリーマーで微調整しています。
大まかにノブが7mm、フォンジャックが9mm、3pdtフットスイッチが12mm、DCジャックが13mmです。もちろん誤差はあると思うので実寸を測定しましょう。
重要なのはステップドリルで、1mm刻みのものを選択してください。
やはり一番大きいDCジャックが難しいですね。私の持っているステップドリルは13mmに対応しておらず、うっかり14mmまで拡張してしまいました。僅か1mmの誤差ですが、そうなるとDCジャックはガタガタです。無理やりワッシャーを噛ませましたが、ちょっと残念な作りになってしまいました。あとはエポキシパテで穴を埋めるなどの対処も考えられます。
しかしDIYに失敗は付き物です。実際調べてみると失敗している人はめちゃくちゃ多いので、時には気にしない事も大切じゃないかと。
完成
というわけで完成です。個人的な好みとしてDCジャックを上面、LEDをフットスイッチの右側に配置しています。これはelectro-harmonixを参考にしました。配線を最大限に効率化するのであればLEDは左が良いんですけどね。完全に気持ちの問題です。
このように、全ての穴位置を自分好みにできるのが自作のメリットです。失敗のリスクもありますが、まああまり気にせずやってみるのが良いかと思います。
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