ギター安ギター

グレッチ エレクトロマチックの評価

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「このギター(機種名)ってどうですか?」

得てして低価格帯のギターにはそのような質問が来やすいのですよ。グレッチのエレマチやストリームライナーは特に。何でかというと本家と同じような見た目で値段が安い事に心惹かれているためですね。そして置いている店が少ないから試奏も叶わずネットで聞くしか無いと。

でも回答が得られることは稀です。ユーザーが少ないからです。

ただでさえグレッチはマイナーで日本国内での情報が少ないです。だから私は少しでも誰かの役に立てばと、手持ちのG6120については些細なことでも情報を公開するようにしています。

それでエレマチやストリームライナー。これらは廉価版ですが比較的新しいため情報が皆無というのが実情です。持っていても情報を公開する人は稀でしょう。

もちろん私が持っていたら出来るだけの回答はしてあげたいですが・・・。

ハードオフで試奏してみた

ですのでハードオフにあったエレマチを試奏してきました。こちらはグレッチ エレクトロマチックのG5445T Double Jet with Bigsby。程度の良い個体で価格は55,000円。割とお値打ちじゃないですか?

基本的な違いについて

まず簡単に説明すると、値段の順にグレッチ>エレマチ>ストリームライナーです。現行グレッチは基本的に日本製、一部のカスタムショップ製はUSA製。エレマチは中国か韓国製。ストリームライナーはインドネシア製。

客観的に見て何が違うのかというとデザイン、生産国、パーツ、価格ですね。音に直結するピックアップは独自にデザインされたものが載っています。

全体的に

グレッチ最大の特徴である美しい見た目を継承しているのは言うまでもないです。流麗なアーチトップ構造で、ハイコストなバインディングが全周に施されています。ソリッドカラーの塗装も綺麗。フレット端の処理もきちんとしてました。ペグの動きも良し。

金属パーツは近くで見るとメッキの質が多少安っぽいですが、遠目には気にならないです。ボディ材はメイプルトップにバスウッドバック。

全体的な造りは悪くなく、普通に使う分には全く問題ないギターだと思います。

ヘッド周り

グレッチのロゴはエレマチ特有のカクカクしたもの。この年代はELECTROMATICのロゴが大きく描かれていてダサいですが、近年のモデルでは無くなっているのでご安心を。

ヘッド裏にはシリアルが。MADE IN CHINAの文字が確認できます。ペグはオーソドックスなクルーソンタイプ。

ネック

指板はローズウッド。インレイはハンプブロック・ポジションマーカー・インレイ。ネック形状は不明ですが薄くはなかったです。

ピックアップ

このダブルジェットに搭載されているのはブラックトップフィルタートロン。フィルタートロンとは全くの別物です。公式が言うには、ワイドでバランスの取れた透明感のあるトーンらしい。まあ安いギターにそんなに良いピックアップが載っているワケがないので話半分に留めておきましょう。

見た目はフィルタートロンとハイロートロンの合いの子のようで格好いいです。

音について

エレマチに搭載されているブラックトップフィルタートロンは篭った感じが全く無く、かなり高音に寄ったサウンドであると感じました。弾いた瞬間「これシングルコイルだっけ?」と思った程。

この機種単体を評価するのであれば、シングルコイルのソリッドギターに近い印象です。

抜けが良く使いやすい音だと思いますが全然グレッチっぽくないです。

本来のフィルタートロンはやや篭った音で高音はペチペチした独特の音です。フェンダーとギブソンの中間のような特性とも言われていますね。やはり本家グレッチとエレマチの音は本質的に異なります。

まあ本家も大した音じゃないので好みの問題ですね。ただグレッチの音を求めているのであれば向かないと思います。もう少し低音が出ていれば良いんですけどセッティング次第か。エレキギターって音作りでどうにでもなりますので、音質についてそこまで気にしなくても良いと思います。

もちろん最終的なアウトプットは原音の影響を受けるので元が良いに越したことはないんですが、ある程度は修正が効きます。

ビグスビー

グレッチといえばビグスビー。廉価版LightningシリーズのB50を搭載。韓国で生産されているのでLICENSEDの文字が。デザインが微妙に異なりますがほぼ同じです。

機能は本家kalamazooシリーズのB6と全く変わらず動きも滑らか。ただしダイキャストのアルミが少々ペラペラした印象で、本家のような重厚感は無し。

評価

あまりコスパは良くは無いですけど普通に良いギターだと思います。安ギターにありがちな加工の悪さとか木材の安っぽさなんかは見られませんでした。音についても普通にスッキリした音で使いやすいと思います。

海外ではエレマチやストリームライナーのレビュー動画がよく上がっておりまして、概ね評判は良いみたいなので音や品質を理由に躊躇することはないかなと。

ただトータルで見て普通すぎるギターです。これといった個性はなく癖のあるグレッチサウンドでとは異なります。グレッチっぽくないというだけで短所では無いですけどね。グレッチのルックスをローコストで再現することには成功しているのでそこが長所じゃないでしょうか。

だからデザインが好きであるとか、日本製のグレッチに50万円も出せないとか、ちょっと雑に扱えるグレッチが欲しいとかなら十分買う理由になると思います。

GRETSCH エレキギター G5410T Electromatic® "Rat Rod" Hollow Body Single-Cut with Bigsby®, Rosewood Fingerboard, Two-Tone Vintage White/Casino Gold

白のG5410Tとかホワイトファルコンっぽくて好きですけどね。あとは10万ちょいという価格をどう評価するか。

例えば1989年~2002年のPre-Fender期の日本製グレッチは不人気なので、中古の6120とか6119だったら15万円くらいで買えるんですよ。

不人気で中古の日本製グレッチが15万円、新品の中国製or韓国製のグレッチが10万。いや〜これは悩ましい問題ですよ。そう考えるとエレマチは絶妙な価格設定で、やはり候補に入るギターであると言えます。

  • 見た目はカッコイイ
  • 音は普通に使える
  • 造りは悪く無い
  • 値段は高め

あまり評価になっていないかもしれませんが、こんなところでどうでしょうか。とりあえず気になったら試奏しましょう。

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