色々使った経験談。正直言って、上手い人ならば何を使っても問題ありません。どんなものでもクセを見抜いてさっさと使いこなしてしまうと思います。そして飽きたらまた別のものを買って、ということを繰り返すはずです。
でもそれって、大前提として「上手い人」の話なわけで、初心者だとそうもいきません。というか私は初心者側の人間でして、それでペダル選びに失敗したことがあります。
偏心カムはやめとけ
ビギナーであれば偏心カムは避けた方が無難です。私は気分で偏心カムのモデルを買ったことがあるのですが、まあ使いにくいこと。偏心カムは真円カムと比べてパワーが出しやすいと言われていますが、その分踏み心地にクセがありコントロールが難しいのです。私は途中でスカッと力が抜ける感覚に慣れることができませんでした。
結局本番までに使いこなすことができずグダグダなライブをやってしまったことがあります。メンバーの皆さんその件はごめんなさい。
迷ったらカム形状を変更できるものを
最近は安いモデルであってもカム形状を変更できるものが多いです。pearlのDemonatorは安価でありながらカム形状の変更を実現し、上位機種のDEMONシリーズのデザインを踏襲していて高級感があります。デフォルトではオレンジのパーツが付いていて偏心カムになっていますが、これを取り外せば真円カムに。踏み込みは軽く素直な動作です。付属ビーターの出来も良いため、買ってそのまま使うことができる名作。
TAMAが誇るアイアンコブラシリーズ、その下位機種であるHP600Dは何故か上位機種には無いカム形状変更機能を搭載。カムの樹脂パーツをひっくり返すことで真円カムと偏心カムを切り替えることができます。
ダイレクトドライブはやめとけ
ダイレクトドライブは剛体でペダルとビーターが直結したタイプ。ペダルとビーターが常に同期するため直感的でスピードのあるプレイが可能。ですがやはりクセがあります。pearlのデーモンシリーズは片持ちで格好も良いから憧れるんですけどね・・・。
重いんだか軽いんだか分からない踏み心地と、全くしなりの無い感覚が私には難しすぎました。熟練者がより繊細でスピードのあるプレイを求めるのなら良いんでしょうけどね。
私のような未熟者に扱える代物ではありませんでした。
高機能すぎるものはやめとけ
世の中にはスプリングの強さ、フットボード角度、長さ、ビーターアングル、カム形状、駆動方式とあれもこれも設定できる高機能なペダルがあります。一見便利そうですが、ドラムペダルにはセッティング沼があります。設定できる範囲が広すぎるあまり基本的なセッティングを見失ったり、自分に合うセッティングが分からなくなってしまいスランプに陥る可能性があるため、初心者にはおすすめしません。
dwの9000などは上級者が使っていることが多く憧れもありますが・・・設定範囲が広く初心者向けではありません。
安物は使いやすい
ドラムペダルの世界は安物の方が使いやすいことが多いです。安物であるが故に単純な構造、軽快でクセのない動きになるんですね。とはいっても、有名メーカーのエントリーモデルの話ですよ。無名メーカーの安物は作りが荒くガチャガチャうるさいことが多いです。
個人的な見解ではスプリング張力とビーターアングル、欲を言えばフットボードアングルが独立して調整できれば必要十分かと思います。調整箇所が多いとセッティングに悩むことになってしまうので。
チェーンかベルトが無難
駆動方式はチェーンかベルトが広く普及しており、何かの付属品であればほぼチェーンドライブです。シングルチェーンとダブルチェーンがありますが好みで選んで問題ありません。シングルは軽く多少横にブレますがデメリットではありません。ダブルは少々重い分パワーがありブレが少ないです。
HP900RNはスタンダードなアイアンコブラ。昔使ってました。ダブルチェーンでガッシリした踏み心地、少々重いですが素直な挙動です。安定した動作と十分すぎるパワー、少々お高いですが間違いなくおすすめです。
ベルトドライブは根強い人気がありスムーズな踏み心地が特徴。ヤマハのFP720は人気のあまり復刻版が出たほどです。コンパクトに折り畳めるため持ち運びが楽であることもメリットです。
結局普通が一番
ドラムペダルはスピードやパワーを追求した個性的な製品が沢山あります。しかしそれらは高みを目指す上級者に向けたものであって、誰にでも使いやすいものではありません。
ひとまずベーシックなものを試してみてから、他のペダルにステップアップしていくのが良いかと思います。さんざん拘ってみた挙句、結局元の鞘に収まることも往々にしてありますが・・・。
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