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ギター音楽評

エレキギターの著作権の不思議。ストラトと同じ形のギターが存在していいの?

エレキギターの著作権について、誰もが疑問に感じたことがあるのではないでしょうか。この場合は形状の話なので、著作権でなく意匠権や商標権の問題ですね。

Fenderそっくりのギターを他社も出しているけど、それって良いの?というお話。

結論から言って、良いのです。

それはつまり、ストラトなどのボディシェイプには商標権が認められないという事なのですね。

ミュージックトレードという音楽業界誌によると、以下のように記載されています。

米国特許商標局・商標審判部(以下TTAB)は、Fender社が同社のストラトキャスターやテレキャスター、プレシジョンベースのボディシェイプを商標登録しようとした訴えを、3月25日付けで棄却した。

誌上レポート -FENDERギター/ベースのボディシェイプ、商標は通らず-|サウンドハウス

上記のように、ストラト、テレキャス、プレベなどのボディシェイプには商標権が認められないとハッキリ記載されています。その根拠は、ストラトキャスターやテレキャスターを初めとしたエレキギターが世に登場して、随分と時間が経っていること。そして消費者にとって、それは必ずしもフェンダーを連想するものでは無い事が挙げられます。

ただしヘッドストックだけは例外であり、商標権が認められています。ですのでヘッドストック形状までコピーした製品はアウトであり、作るにしてもライセンス料を支払う事になるでしょう。

このあたりフェンダーはそこそこ敏感で、公式にも明記されています。

続いて、特許情報の検索サイトを「フェンダー・ミュージカル・インスツルメンツ・コーポレーション」で検索してみます。

はい、ヘッド形状三種がきちんと登録されていました。見てみると大変に興味深く、「これらの形を模したトートバッグ」なども登録されているんですね。商売をする人は注意しましょうね。

またボディ形状の意匠権について、「Fender METEORA」だけは登録されていました。今後出てくる全く新しい形状のギターについては、全て意匠権が登録されるかもしれませんね。

こちらは言わずと知れたフェンダー・ストラトキャスター。ダブルカッタウェイ、3つのピックアップ、ヘッドなどの形状から我々はこれを「ストラトである」と認識していますね。

一方こちら、他社のストラト”モデル”。はい、ほとんど同じですね。言うまでもなくフェンダー社のストラトキャスターのコピー品ですが、全く問題ないのです。何故これが許されるのかというと、ヘッドストック形状を差別化して商標権を回避しているからですね。よく見てください、微妙にフェンダーとは異なります。少し前まではヘッド形状もコピーしていましたが、流石にやばいという事が認知されてきたのでしょう、ここ最近のモデルから変更されています。

つまりボディシェイプはコピーしてOK、ヘッド形状まで似せたらアウトって理解で問題ないかと思います。フェンダーからしたらふざけんなって感じかもしれませんね。ヘッドの商標権に厳しくなるのは当然の結果です。

まあ消費者としては、ボディシェイプにまで商標権が及ばなくて良かったと思います。例えばアコースティックギターの形は今日からマーチンの登録商標です!ってなったら皆困りますよね。同じようなギターを販売できなくなると、結果的に市場規模が小さくなってしまいます。

コピーモデルがあったからといって、本家への憧れやリスペクトが無くなるわけではありませんからね。

フェルナンデスのストラトモデルのヘッド。何とか遠ざける努力をしている。

こちらはフェルナンデスのストラトモデル。これは何とか本家から遠ざかろうとしている努力が垣間見えます。ダサいダサくないの問題でなく、商標権の都合から本家とは違ったオリジナルシェイプにするしか無いのですから仕方がありません。

バスカーズやセルダーなど安ギターの世界は無法地帯で、未だにヘッドまでコピーしているのが現状です。微妙に違うからOKとかそういう詭弁が通るんでしょうか?セルダーは最近になってヘッド形状を変更しましたが、バスカーズは未だにこのシェイプで売っていると思います。フェンダーがなあなあで見逃してくれている可能性はありますが、アウトでしょうね。大手がフェンダーギターの隣で、自社製品であるコピー品を売っているのはどうかと思います。

1970年頃の日本ではもっと露骨でした。ボディとヘッドは完全なるコピー、ロゴに至るまでスレスレでしたからね。トーカイとかフェルナンデスのロゴはフェンダーそっくり、GrecoもGibsonそっくりの書体に寄せていました。もっと悪質だとGibbonとか。著作権とか商標権とかの意識が希薄な時代でありました。そういう時代の製品にはうさんくさい面白さがありますが、近代的な感覚からするとアウトでしょう。しかし当時の日本人はフェンダーやギブソンを買うお金が無かったのでコピー品を買うしかなかったのです。

そんな中、たまたま起訴されたのがトーカイでした。1984年にフェンダー社から起訴され、一時的に販売停止状態になりそのまま倒産してしまいました。1986年には何とか復活し、それ以降はヘッド形状やロゴが変更されましたね。どこもかしこもパクリ品を売っていた中トーカイが狙い撃ちされたのは、たまたまなんでしょうねえ。運が悪かったとしか言えません。

島村楽器がまともかどうかはさておき、まともなメーカーはフェンダータイプのギターを製造していたとしてもヘッドストック形状だけは工夫を凝らしています。

フジゲンはこんな感じのヘッドになっています。この形は意外と好きですね。こういう部分に企業努力が垣間見えて好感が持てます。フェンダー系統だと、G&LとかMusicmanのヘッドシェイプも好きです。

今後ギターを探す時、ヘッド形状に注目してみると面白いかもしれませんね。

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