音楽評

突如現れた友人の友人、スクワイヤー君の話

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ギターの値段の話をしてしまうのは、ギタリストの悪癖だ。もちろん友人同士、冗談でそんな話をする事はある。「俺のは10万!」「いやいや俺のは20万!」「なんの俺のは100万だ!」「くっそー負けた!」なんてよくある話。もちろん単なる洒落なので、本気で競っているわけではない。逆に安物を自慢し合ったりもする。

これは友人間だから成り立っている事で、大して親しくも無い人にギターの値段の話をしたり、持ち物にケチをつけるのは大層無礼な事だ。

そんな中突如として現れた、友人まーくんの知り合いの話。要するに全くの他人だが、仮にスクワイヤー君としよう。

私:ギターが好きなだけの人。機材だけは良い。

まーくん:元バンドマン。腕も機材も良い。

スクワイヤー君:自称ストイック。

まーくんはゲームを通じてスクワイヤー君と知り合った。スクワイヤー君もギターが好きで、何を使っているのかという話になった。名前がオチになってしまっているが、彼が使っているのはスクワイヤーのストラトキャスターである。一方まーくんが使っているのは、Fullertoneのテレキャスターで40万円くらい。

まーくんがテレキャスを使っていると答えたところ・・・

スクワイヤー君「テレキャスかぁ・・・テレキャスよりストラトの方が良くないですか?

と、他人の機材をディスってしまったのである。

値段を知らなかったとはいえ、スクワイヤーのストラトを使っている人がFullertoneのテレキャスをディスってしまうのは滑稽だ。

スクワイヤー君は何故、スクワイヤーのストラトでイキってしまったのだろうか?ギターは上を見たらキリがないから、金額におけるバトルでスクワイヤーが勝つ可能性はかなり低い。その挑戦はあまりにも無謀だ。

スクワイヤー君は、朝の5時に起きてギターを練習し、作曲もするらしい。動画もアップロードしているというから見てみたが・・・。

残念ながら、彼は下手だった。

彼がそんなにもフカシをこいてしまう原因は、彼がその話を始めた環境にある。

話の舞台となったのは、「ゲームのクラン」だ。

ゲームだけで繋がっている人間関係の中、彼は「音楽をやっている自分」という自意識をこじらせてしまったのだろう。彼は機材や腕前を自慢し、音楽に対するストイックさを必要以上にアピールしてしまったのだ。

しかし思いがけず、その中にはバンドマンが潜んでいた。結果彼は赤っ恥、機材の値段でも負けてしまった。

そういえば大学の頃同じような事があった。入部したてのサークル内で、必要以上にフカシている新入生が居た。「自分どのくらい弾ける?俺はベース歴3年だけど〜」みたいな事を吹聴していて、じゃあさぞ上手いんだろうと周囲から期待されていたが、蓋を開けてみると一番下手なのは彼だったのだ。

つまりそういう事で、本来の実力以上に自分を大きく見せようとする人は下手なのである。

ギターの値段にしろ、腕前にしろ、聞かれてもいない事をベラベラと話し始めるのは危険だ。

因みにスクワイヤー君が言うには、BOSSのエフェクターは安物らしい。どの口がそんな事を言うのだろう。

もちろん今回の話、スクワイヤーは悪くない。悪いのはスクワイヤー君だ。彼は他人の機材に無用な口出しをしてしまった。それが良くないのである。

しかし、楽器自慢はみんなもっとやるべきだと思う。楽器を購入した直後の浮かれを共有するのは結構楽しいし、参考になったりもする。

自慢はOK、口出しNG。みんなもっと、自分の楽器を自慢しませんか。

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