フレット磨きはそこそこ大変な作業です。
何が大変かというと、マスキングですよ。全ての指板をマスキングして、フレットを一本ずつ磨く作業はなかなか辛いのです。
何故マスキングするのかというと、指板にコンパウンドが染み込むのを防ぐためです。木目に微細な粒子が付着すると落ちませんし、白く粉を吹いてしまいます。
一応こういった便利グッズもありますが、完璧ではありません。あくまでもお手軽メンテの範疇です。
ちなみにギブソン公式が紹介している手順として、未塗装指板の場合であれば「スチールウールで指板ごと磨く」というのがあります。つまりフレットだけでなく指板そのものも磨く対象であると。なかなか大胆ですが、まあギブソンがそう言うのなら大丈夫でしょう。
ギブソンの手順はさておき、今回私が試したのはFRET BUTTERです。これはマスキング不要で、フレットと指板を一気に磨ける優れものです。買ったばかりのリッケンバッカー330のフレットがくすんでおりましたので、さっそく磨いてみましょう。
モノとしては「液体を含んだ布」で、結構ヒタヒタです。開封すると独特の甘ったるい香りが漂い、その奥に若干の油臭さがあります。
チャック付きのパッケージで、乾き切るまで何度でも使える事が売りのようです。
私のリッケンバッカー330は塗装済みのローズウッド指板ですが、まあ大丈夫でしょう。早速施工していきます。
指板全体をフレットバターで拭いてから、別のタオルで横向きに擦るのが正しいようです。そして綺麗な面で再度横向きに拭き上げると。全体を一気に磨けるのがメリットということですね。私は使い方をよく見ておらず、一本一本縦に拭いておりました。まあどちらでも良いでしょうけど、別のタオルで拭き上げるのはマストです。
まずはこちらがビフォア。全体がくすんでおり、美しくないことが画面越しでもお分かりいただけるかと思います。
こちらがアフター。マスキング無しで、ここまで綺麗に磨けるのならとても良いんじゃないでしょうか!塗装面に付着しても、特にムラにはならず均一な艶になりました。
しかしもっと強烈なサビや汚れを落とすには力不足なので、その時はスチールウールやスコッチブライトを使うべきでしょうね。
公式としては非推奨ですが、ついでにブリッジとテールピースを軽く磨いてみたところ、ピカピカになりました。あくまでも、布に残った成分で多少磨いた程度です。やりすぎるとメッキが剥がれるおそれがありますので、程々の所でやめておきます。
メッキパーツを本格的に磨くのであればシャイニーマン等の専用品を使いましょう。特に、ゴールドメッキは簡単に剥がれてしまいますからね。
というわけで、マスキングの手間から開放されたい方にフレットバターはおすすめです。
あとこれ、書いた通りめちゃくちゃ甘い匂いがします。気になる方は是非。
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